「おい!プールにサメがいるぞ!」←映画ではなく現実です 危なくないの?水族館に聞いた
子どもたちが入ってプール掃除も
若月さんに「プールに人が入っているように見えるのですが......」と尋ねると、
「そりゃあ、たまには掃除をしなければいけませんからね」
と、当然のように返されてしまった。どうやら写真に映った人たちは掃除をしているようだ。
「よく小学校とかで、プールの水位を下げてから子どもたちが裸足で入って、みんなで掃除したりするでしょう」(若月さん)
したような気もするが、それはもちろん通常の学校のプールであって、サメは泳いでいない。
まさか、水族館のサメが泳いでいるプールに、職員が同じように入って掃除している......?
「ええ、そうです。あとは、子どもたちからも希望があれば(その子たちに)やってもらっていますよ」(若月さん)
おそるおそる、「危なくないんですか?」と、聞いてみた。
「危ないサメがいるときはやらせないですよ、もちろん。でも、危なくないサメだけのときもありますから」(若月さん)
若月さんによると、プールの中のサメは毎日入れ替えがあり、種類や個体数も頻繁に増えたり減ったりする。入れ替えたサメは近隣の海へ放したり、同館内の別の水槽へ移したり、たまに他の水族館へ移動させたりもする。
毎日入れ替える作業は大変そうに思えるが、近隣の漁師の人たちからほとんど毎日新しいサメが届くので、そうしているそうだ。
また、生き物どうしの相性もあるため、いじめが起きたときなどもメンバーを変える必要があるという。
「今日は10種くらいいたと思いますが、明日にはまた変わっていますよ」(若月さん)
取材した日には、たとえばイタチザメ、アカシュモクザメ、ドチザメなど多くの種類のサメが泳いでいるとのことだった。
ちなみに、サメがいるプールにはウツボやタイなど、他の生き物も泳いでいる。でも、水族館のサメたちはきちんとエサをもらっていて満腹のため、他の生き物を襲うことはないそうだ。
「サメ」と聞くと、どうしてもサメ映画の危険なやつらを思い出して震え上がってしまうが、すべてのサメが危険なわけではない。
「サメがいるプール」はそんな知識を改めて体感できる、勉強になる展示だった。