「怖い体験」を100円で買い取ってくれるお店があった 尼崎の怪談作家が営む「売買所」に注目集まる
店主と来店者が対面で怪談を語り合う場
Jタウンネット記者は21日、まず投稿者の若狭さんを取材した。
若狭さんは兵庫県尼崎市のローカルマガジン「南部再生」の編集者だ。
「怪談売買所」の写真は2021年6月19日の午前11時ごろ、尼崎市の杭瀬中市場で自身が運営する古本屋「二号店」で撮影したものだという。
「『二号店』運営者として、(怪談売買所を運営する)宇津呂鹿太郎さんからオファーを受けて出店していただき、当日体験しました。
売買所の体験ははじめてで、不思議な話を1話買いました。売る話はとっさに思い浮かばなかったけれど、そういう不思議な体験は思い出せそうなので、今度は売ってみたいと思いました。
宇津呂さんの語り口に思わず引き込まれました。聞いた話を帰って妻に聞かせたり、近所の人たちが話を売りに来ている様子がとても面白かったので、来月も来てくださるのが楽しみです」(若狭さん)
23日、「怪談売買所」を運営しているNPO 法人宇津呂怪談事務所にも取材した。
答えてくれたのは、同事務所の代表、尼崎出身の怪談作家・宇津呂鹿太郎さんだ。
改めて、「怪談売買所」の概要を聞くと、
「『怪談売買所』は、店主と来店者が対面で怪談を語り合う場です。
ここでいう怪談とは、実際にあった怖い体験や不思議な体験(怪異な体験)のことで、幽霊を見た・金縛りにあった・狐狸の類に化かされた・その他意味不明の出来事があった、など常識では考えられない体験のことを指します」
と説明。体験談を来店者が店主に語れば、店主から1話につき100円が支払われる。逆に来店者が100円を渡せば、店主が集めた怪談を1話聞くことができるのだ。
宇津呂さんは、どうしてこのような店を開こうと思ったのだろうか。出店までの経緯を聞いた。