巨大な松が屋根をブチ破っている... 樹齢450年、雲南市にそびえる「浪花家の大松」はなぜこうなった?
2021.06.15 20:00
とにかく「なんでこうなった!?」って感じ
日本各地の古い建物や町並みを旅しながら写真を撮ったり、現地に住む人に暮らしぶりや現地の気候、昔の話を聞いて記録する著作活動をしている「道民の人」さん。
松の生えた家の写真を撮影したのは、2019年5月のゴールデンウィークのこと。場所は、当時北海道に住んでいた道民の人さんが、新幹線と寝台列車を乗り継いで行った、島根県雲南市(旧木次町)の古い町並みにある「浪花酒店」という酒屋だ。
「GWの時期は毎年中国地方を訪問しており、この年も10日間まるごと使って、山陰地方をメインに旅をしていました。
旧木次町を含む雲南市周辺は、かつてたたら製鉄で栄えた山村や、鉄を採取するために山を切り崩した地形を再利用した棚田が発達した農村が広がり、古い駅舎が存在する木次線や旧街道沿いに赤い屋根瓦の家が建ち並んでいます。この風景が好きで、この日も奥出雲町から雲南市、松江市周辺部を巡っていました」(道民の人さん)
雲南市の旧街道沿いは何度も通っていたものの、きちんと隅から隅まで歩いたことはなかったため、その日は時間を作ってゆっくり散策することに。
そして、木次駅前の商店街から日登方面へしばらく歩いたところで見つけたのが、この大きな松が生えた家だったそうだ。
実際にこちらの家を見つけた際の感想として、道民の人さんは、
「とにかく『なんでこうなった!?』って感じでした。木の大きさ等から、おそらく家の方が後から建てられたんだろうとは思いましたが、初見の印象としてとにかく『家をブチ抜いて生えた松』という単語が浮かんで仕方がなく、今回もツイートの題に使わせてもらいました。
山陰地方は立派な屋敷や町屋の家並みが多くありますが、ここまでインパクトがある風景もそうありません。
そして、木自体の立派さもさることながら、枝や葉の剪定が行き届いた姿に、この松を管理している方の腕や熱意を感じて『見事!』と見上げ続けました」(道民の人さん)
と振り返った。