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さようなら、昭和! 63年の歴史に幕を下ろした「岡ビル百貨店」に惜別の声相次ぐ

松葉 純一

松葉 純一

2021.06.01 21:00

かつては「明治は遠くなりにけり」と嘆いたものだったというが、現代では「昭和は遠くなりにけり」と言うべきらしい。「昭和レトロ」と呼ばれた建物や店も次々と消え去っていく。

2021年5月31日、愛知県岡崎市の岡ビル百貨店が閉店し、ツイッターには惜別の声が寄せられている。下は、閉店セレモニーに居合わせた、古河いろは(@Furukawa_0168)さんのツイートだ。

1958年、名鉄名古屋本線 東岡崎駅の駅ビルに開業した「岡ビル百貨店」が、63年の歴史に幕を下ろしたのだ。

ツイッターにはこんな声が寄せられている。

「東岡崎駅の顔でした。昭和33年開業とのことなので、私よりも先輩です。お疲れ様でした」
「特に昭和時代は、駅前のユニー含めほぼ毎日利用していた感」
「3世代の記憶がつながってよみがえった場所よ永遠に」
「『キッチンこも』はかなり前に一回だけ。 高齢のご夫婦二人で仕切っていたけどとにかく手際よくて感動したな」
「その日よ、どうか来ないで、とずっと祈ってたけど、時は不可逆なり」

Jタウンネット記者は投稿者「古河いろは」さんと岡ビル百貨店の担当者に取材した。

「両親が結婚前にデートしていた場所でした」

古河いろは(@Furukawa_0168)さんのツイートより
古河いろは(@Furukawa_0168)さんのツイートより

投稿者「古河いろは」さんは、岡崎市の隣の西尾市在住。「岡ビル百貨店を初めて探索したのは2018年です。探索に行く前からどんな古いものが使われているのだろうとわくわくしていたのを思い出します」と語った。

「(岡ビル百貨店の好きなところは、)昭和レトロな内装をしているところや、特に改修されていない内装、トイレなどです。
特にトイレはレアなものがたくさんあり、トイレ探索仲間の間では、一度は探索してみたいところとして話題でした」(「古河いろは」さん)

昔のトイレを探索するという(トイレ探索)の趣味を持つ「古河いろは」さんは、岡ビル百貨店のトイレに感心していたようだ。

古河いろは(@Furukawa_0168)さんのツイートより
古河いろは(@Furukawa_0168)さんのツイートより

次に、Jタウンネット記者は岡ビル百貨店の担当者に電話取材した。6月1日午前中のことだ。「お疲れさまでした」と挨拶すると、こう話した。

「昨日も、豊田市にお住まいの方から電話がありました。ご両親が結婚前にデートしていた場所が、ここ岡ビル百貨店だったそうです。
思い出の場所がなくなって、残念ですと、話されていました。同じような声は全国から届いています」(岡ビル百貨店担当者)

最盛期には、28店舗あったテナントも、最後は4店舗だったという。

「洋食屋さんの『こも』は、80代のご夫婦だけで切り盛りされているお店で、スパゲッティやオムライス、クリームコロッケ、エビフライなどが人気メニューでした。
ザ・洋食といった雰囲気で、地元テレビ局の取材も多かったですよ」(岡ビル百貨店担当者)
古河いろは(@Furukawa_0168)さんのツイートより
古河いろは(@Furukawa_0168)さんのツイートより
「時計貴金属のお店『ウツノ』は、岡ビル百貨店開業以来ですから、63年間、テナントでした。
開業当初は冷房設備がなくて、夏場は金タライに氷柱を立てて、冷風を送ったという話を聞いたことがあります」(岡ビル百貨店担当者)

バブルどころか、高度成長期もまだ先のこと、終戦直後の焼け跡からようやく立ち上がったような時代の最先端施設が、岡ビル百貨店だったようだ。「当時は駅ビルに店が集合しているのが珍しくて、しかもバスのロータリーも併設していたので、電車待ち、バス待ちのお客さんで、非常に混み合っていたと聞いています」と担当者。

古河いろは(@Furukawa_0168)さんのツイートより
古河いろは(@Furukawa_0168)さんのツイートより

岡ビル百貨店は、2階と3階だが、屋上をビヤガーデンとして活用していた時期もあったという。また屋上には、豊川稲荷から勧請した稲荷神社が祀られているそうだ。

また3階の空きスペースは、イベントや、パフォーマンス会場としても活用されているらしい。最近は、持続化給付金申請会場としても利用されたという。

古河いろは(@Furukawa_0168)さんのツイートより
古河いろは(@Furukawa_0168)さんのツイートより

さて、ツイッターでも話題になっていたのは、岡ビル百貨店閉店後、岡ビルはどうなるか? ということだ。

「岡崎市と名鉄で協議中と聞いていますが、残念ながら、私どもにはまったく分かりません」(岡ビル百貨店担当者)

昭和、平成、令和と、元号が変わり、いったいどんな未来が見えてくるのだろうか?  今は、しばし立ち止まり、こうつぶやくのみだ。

「昭和は遠くなりにけり」

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