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名だたる賞に「俺がノミネート」 借りた本に「オリジナル感想帯」付けて返すアイデアに称賛

井上 慧果

井上 慧果

2021.05.31 20:00
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友達から借りた本がとても良かった――。

そんな思いを伝えるために、あるユーザーが生み出したアイデアがツイッターで話題となっている。

「俺がノミネート」(画像はsora.F@13237soraさん提供)
「俺がノミネート」(画像はsora.F@13237soraさん提供)

これは2021年5月30日、ツイッターユーザーのsora.F(@13237sora)さんが投稿した画像だ。一見すると普通の本に見えるが、巻かれている帯に注目していただきたい。

「芥川賞・直木賞・三島賞・山本賞・本屋大賞」

と有名な文学賞の名前が連なっているが、その下には

「俺が ノミネート作」

と書かれており、またその隣の

「10億部突破」

の下には小さく

「してほしい」

の文字が。

実はこれ、投稿者のsora.Fさんが、友人から借りた本が「かなり良かった」という感想を伝えるために作ったオリジナルの帯なのだ。

「楽しませてもらったお返しに」

自家製の帯(画像はsora.F@13237soraさん提供)
自家製の帯(画像はsora.F@13237soraさん提供)

帯の裏面には、福山空名義でsora.Fさんによる推薦文も書かれている。

「正直、このまま借りパクしようかな、と思いました」
「ページをめくる手が、読み終わった後も止まりません! 病院を紹介しろ」

と本の素晴らしさが伝わってくると同時に、思わず笑ってしまうようなコミカルな文面だ。

友人に貸した本にこんな楽しい帯がついて返ってきたら、普通に感想を言われるよりも嬉しくなってしまうことだろう。背表紙に書かれている

「本当にありがとう」

の言葉が温かい。

sora.Fさんは、どうしてこのようなユニークな感想の伝え方をしようと思いついたのだろうか。

Jタウンネット記者は31日、本人を取材し、この帯について詳しい話を聞いた。

制作の経緯について、

「『借りた本で楽しませてもらったので、私もお返しとして相手に楽しんでもらいたい。独自の方法で感謝を伝えたい』と思ったことがきっかけです」

とするsora.Fさん。

返却時、この帯の存在が友人に気づかれないことを目標にして

「本の帯のデザインや頻繁に書かれているフレーズをかなり分析しました」

とこだわりを明かす。

良すぎ×良すぎ×良すぎ(画像はsora.F@13237soraさん提供)
良すぎ×良すぎ×良すぎ(画像はsora.F@13237soraさん提供)

確かに、何も言われずにこれを渡されたら特に違和感なく、受け取ってしまうに違いない。そのぐらいリアルに作られている。

なお実際に本を返却した際、sora.Fさんの狙い通り、ご友人はこの帯の存在には気づかなかったとのこと。

「その日の夜に電話がかかってきて、『この意味不明な帯は何だ』と突っ込まれました」(sora.Fさん)

帰宅して改めて返ってきた本を見てみたらこんな楽しい帯がついていたご友人のことを考えるだけでこちらもなんだかほっこりした気持ちになる。さぞ驚き、笑ったことだろう。

今回のオリジナルの帯に対し、ツイッターでは

「すてきすぎる! 次はどんな帯が返ってくるのか、楽しみになっちゃいますね」
「貸した本がこうやって返ってきたら嬉しいかも! オススメして良かったなぁってほくほくしちゃう」
「帯見てめっちゃ読みたくなった!」
「これは楽しいアイデア」
「なんて本好き+装丁好きの心を震わせるのか!」
「このままブックオフに買取してもらったら、気付かれずに店頭に並ぶ説」

といった反応が寄せられている。

こういった反響を受け、sora.Fさんは

「お礼の伝え方が素敵、というコメントを多く頂き光栄です。個人を喜ばせるためのアイデアだったのですが、こうして多くの方を楽しませることが出来、とても嬉しく感じております」

と感想を述べた。

また現在は今回投稿された帯しかないとのことだが、「今後も色々なパターンを作ろうと考えています」とのこと。

最近はなかなかその機会が減ってきてしまっている「本の貸し借り」をしたくなるような素敵なアイデアだった。

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