お金を払えば「科研費」がもらえる? 研究者気分を味わえるサイエンスバーにワクワクが止まらない
「科学者の頑張りを知っていただきたい」
店のことを知ったところで、あらためて今回話題となったオリジナルカクテル「カケンヒ」について話を聞いた。

すみれリキュール、ジン、白ワイン、レモンジュース、ソーダをあわせて200ミリリットルのトールビーカーに入れて提供されるこの「カケンヒ」。アルコール度数は10.0%、1杯のアルコール量は18ミリリットル。科研費と同じく「それほど甘くはない」ということだが、実際はどのような味なのだろうか。
野村さんは
「スミレが香るすっきりとした味わいです。アルコールもそれほどキツくはないので、飲みやすい仕上がりになっています」
と説明する。
「完全に辛口ではなく、ほんのり甘いので、まさに『それほど甘くはない』カクテルとなってます。
このそれほど甘くはない、ところと、科研費のロゴと同じく紫色のグラデーションをしているというところが、『カケンヒ』のこだわりですね」(野村さん)
ユーモアと皮肉がよく効いたこのカケンヒ。誕生の経緯はどういったものなのだろうか。
記者が尋ねると、
「皆さん、普段は科学者との関わりがない方がほとんどだと思いますので、科学者が普段どんな感じで頑張っているのか知っていただきたい、との思いがありました。
科研費って、皆さん一生懸命書類を書いて申請する研究費なんですよ。これを取るために、みんなすごく頑張って書類を書いて、頑張って研究するんです。
だから科学者にとっては酸いも甘いも入り混じったいろんな感情が思い起こされるものなんです」
と野村さんは答える。

このカケンヒの楽しみ方については、
「一般の方には、科学者がそういうものを頑張ってやっているんだなというのに思いを馳せながら飲んでもらえたらな、と思います。
当事者の方にもカケンヒくださいって言ったらカケンヒがくるのを楽しんでもらいたい、それを面白がってもらいたいですね。うちはお金を払ってもらえればカケンヒがもらえるというすごく怪しい感じになってますので」
と笑顔で語った。