お金を払えば「科研費」がもらえる? 研究者気分を味わえるサイエンスバーにワクワクが止まらない
試験管でワインを飲み比べ
「Science Bar INCUBATOR」にはこれ以外にも、生物学専攻の野村さんの知識をふんだんに盛り込んだ個性豊かなメニューがたくさんある。
コンセプトだけでなく、「味」にもこだわる野村さんにドリンクとフードのオススメメニューを聞いてみた。
「バーとしての質も高くありたい」との思いで、ワインソムリエの資格も取得した野村さんが
「見た目的にも面白く、飲食店としても合理的かと思います」
としていたのが、このワインの飲み比べセットだ。

赤か白か好きな方を選び、4種類のワインを飲み比べられるこのセット。
試験管を立てる器具を使うことで、より比較しやすくなるのだという。
「こういうのを使うと、微妙な色の違いとかも分かるんですよ。ワインも、見比べると結構色が違っていて、そういうのが楽しめます。
無理に使うわけではなくこういう必然性を持って、器具を使っていきたいなとも考えてますね」(野村さん)
ちなみに、飲むときはおちょこのような小さなビーカーを使う。そちらの方が香りもとりやすいから、とのことだ。また、
「中には、面白がって試験管を直接嗅いだりされる方もいらっしゃいますね。そういうときは、じかに嗅いじゃダメなんだよ、なんて言い合ったりしています」
とのこと。皆さんも中学校の理科の実験の時に、「薬品のにおいは直接嗅いではいけない」と言われたことがあるのでは?そんな思い出もよみがえってきそうだ。
フードのおすすめは「アルコールランプ炙り」。
スルメイカやほたて貝ひも、エイヒレ、ゴーダチーズ、マシュマロ串を、アルコールランプを使い、自分で炙って食べることができるというまさに実験気分を味わえるメニューだ。

「自分の加減で、好みにあわせて炙れるので楽しいです。炙りたての柔らかくて美味しい状態で食べられるという合理性を求めたメニューになっていると思います」
と野村さん。
また、燻製の煙でシャーレを満たしたインパクト抜群の「バニラアイス けむり味」もオススメ。

「燻製の香りって燻製を食べたことあるひとはだいたいイメージがつくと思うんですけど、これは香りとは別にちゃんと味がつくんです。実際に食べていただけばわかると思うんですが、これがすごく美味しいのでオススメですね」(野村さん)
他にも、科学をモチーフにしたオリジナルカクテルや、実験気分を味わえるドリンク、フードが多数揃っていた。また、専門家を招いたサイエンストークイベントも不定期で行っているそう。
これは何度でも通いたくなってしまう......!
世の中が落ち着いたらぜひ文系も理解も関係なく楽しめる「Science Bar INCUBATOR」で、科学を肴に飲みたいものだ。
なお、現在は東京都の緊急事態宣言を受け、5月末まで営業を休業中。今後も要請に従う方針とのため、詳しい営業状況については公式ウェブサイトかSNSをチェックしてほしい。