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「緊急事態宣言で、流通がほぼ停滞。助けてください」 生食可能な「厚岸の牡蠣」が送料無料に...SOSツイートに反響

松葉 純一

松葉 純一

2021.05.25 20:00
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2021年5月23日に投稿された、次のようなツイートが注目を集めている。

「緊急事態宣言発令で厚岸の水産物の流通はほぼ停滞しております」という書き出しから始まるコメントが、人々の目を引いたようだ。

「本当に勘弁してください」「助けてください」という呼びかけも、切実さを感じさせる。「送料無料でお届けするので、たくさん買ってください、食べてください」とたたみ掛ける迫力が、半端ない。

画像を見ると、「厚岸漁業協同組合直売店」の広告のようだ。インターネットから注文すると、送料無料になるキャンペーンの告知らしい。このツイートには1万8000件を超える「いいね」が付けられ、いまも拡散中だ(5月25日昼現在)。

ツイッターにはこんな声が寄せられている。

「厚岸の牡蠣は本当に美味しい」
「本当に厚岸の牡蠣美味しいですよね!! 注文しようと思います! わたしも飲食店で働いてます!! 頑張ってこのコロナ禍を乗り越えましょうね」
「私の両親も北海道で漁師しています。コロナで大変ですが頑張ってください」

Jタウンネット記者は、投稿者の久保田紘平(@shinkeijime)さんに、詳しい話を聞いてみることにした。

「送料無料」という特別企画の訳は?

久保田紘平(@shinkeijime)さんのツイートより

北海道東部の厚岸町(あっけしちょう)は、「かき」の産地として全国に知られているが、新型コロナウイルスの影響による緊急事態宣言の中、厚岸産品の流通量が減少。厚岸を代表する「かき」も例年に比べ販売数量が伸び悩んで、大変苦しい状況だという。

投稿者の久保田紘平さんは、「厚岸漁業協同組合直売店」の営業部門、ネット通販の担当者である。Jタウンネット記者の電話取材に、こう答えた。

「この企画は、『国産農林水産物等販売促進対策事業』という国の補助事業を利用し、ネット販売における一番のネックとなる送料を、無料にて皆様にお届けする企画です。生産者である漁業者の販売数量を増加させ、採算性を向上させることと同時に、厚岸産の良さを皆様に知っていただくことが目標です」(久保田紘平さん)

キャンペーン初日の24日は、ネット経由で1万個を超える注文があったというが、これは通常の数十倍の量に当たるという。「道外からのご注文が半数以上でした。やはり送料無料というのが大きいと思います」と、久保田さんは語る。

出荷数が上がると、競りも活気づいて、良い値が付くので、漁師さんたちも元気になるという。ネット販売での売れ行きは、200人以上のかき漁師さんの生活にも直結しているようだ。「厚岸漁業協同組合直売店」営業担当も腕の見せどころだ。

厚岸のかき(画像は「厚岸漁業協同組合直売店」HPより)

厚岸町の地名の由来は、アイヌ語で「かきの多い所」という意味の「アッケケシ」とされる が、その名の通りかきの名産地だ。山の養分を含んだ「別寒辺牛川(べかんべうしがわ)」の淡水と、太平洋の海水が混ざりあう、汽水湖・厚岸湖が主な産地である。

一般的にかきは、水温が高くなる時期は生で食べられないと言われているが、水温が低い厚岸のかきは、一年中生で食べることができるという。水温が高くなりそうな場合は、水温が低い水域にかきを移して育てるそうだ。

今回送料無料になっているかきについても、久保田さんは「全て生食で頂けます!」とツイートしている。

ツイッターには、早速注文した人からの声も届いていた。

「注文させていただきました。 昔、駅弁食べに行った時にエーウロコに寄らせていただき、その時食べたマルえもん美味しかったです。関東では食べる機会がないので、楽しみです」(編注:「マルえもん」は厚岸産のブランドかき)
「早速注文させていただきました。北海道は大好きな場所で、年に数回訪れておりましたが、このコロナ禍で中々訪れることも叶わず、寂しく思っております。 厚岸の牡蠣も北海道の大切な宝ですよね」
「北海道にいてずっと厚岸の牡蠣買おうか最近迷ってて丁度特別価格で売ってるみたいなので買っちゃいました!届くのが楽しみ」
「こんにちは。釧路出身で牡蠣が大好き、厚岸の牡蠣祭りは毎年2回(5月と10月)必ず行っていました。今は大阪に住む母親と姉に牡蠣を送ってあげようと思い購入させていただきました。コロナに負けず頑張ってください」

「これって、九州の方も送料無料ですか?」という質問もあったが、もちろん「全国送料無料」だ。

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