「蚕の卵」を郵送するときだけに必要になる、「特別な表記」があるって知ってた?
ハンコを用意している郵便局も
Jタウンネット記者は14日、日本郵便にも取材した。取材に応じた広報室の担当者によると、そもそも第四種郵便物には、
「通信教育用郵便物」
「点字郵便物」
「特定録音物等郵便物」
「学術刊行物郵便物及び植物種子等郵便物(蚕種は植物種子等郵便物に含まれます)」
といったものが該当するという。
「第四種郵便物は低廉な料金で利用できるサービスですが、第四種郵便物として送付できるものであるか確認するため、開封(封筒の端に切れ込みを入れるなど、内容物が確認できる状態)して差し出すことが条件となっております。
そのうち蚕種を内容とするものについて、開封して差し出す場合は『蚕種』の表示は不要ですが、差出人の方が密閉しての差出しを希望される場合は、蚕種の他の物が入っていないことを確認した上、当社社員が立会いのもとに密閉していただき、郵便物の表面に『蚕種』の表示をしていただくこととしています」
とのこと。つまり、第四種郵便とは特定の品を、第一種郵便などより安く送ることができる方法。そのため、本当に中身が第四種の品かどうかを確かめられるようにしておく必要があるのだ。
そこで、「蚕種」を「封筒を密閉した状態で」――外からは何が入っているか見えない状態で送りたい場合に、「第四種蚕種」という表記が必要(厳密には「蚕種」の文字だけでも可)ということだ。
開封した状態で送る場合は、表記の必要はないという。
なお、担当者によると、「第四種蚕種」のハンコは郵便局によっては用意している場所もなくはないが、「基本的にはお客さん(送り主)自身で用意して押すもの」。
この「蚕種」の表記がいつごろから用いられているかについて、担当者は、
「弊社ではこの表記(蚕種)が設けられた時期は確認できませんでしたが、先に述べた密閉の取扱いに関しては、少なくとも昭和22(1947)年の新郵便法に規程されています」
と説明した。それなりに古くからあるもののようだ。
「たしかに馴染みのない方にとっては新鮮に感じるかもしれませんが、そこまで珍しい表記でもないんじゃないかなと思います」(担当者)
皆さんも、もし蚕の卵を購入して郵送してもらう機会があったら、封筒を確かめてみるといいかもしれない。