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なんだかゾクッとする... 「ガードレールを吸収した木」に注目→なんでこうなるの?樹木医に聞いた

大久保 歩

大久保 歩

2021.05.07 20:00
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日本トップクラスの「飲み込みの木」

完全に合体(写真は高木さん提供)

石黒さんによると、写真の木は、スズカケノキ科の「プラタナス」。街路樹などに広く用いられる木だ。

「樹木は二次肥大成長(年輪成長)といって毎年まいとし年輪分づつ太くなっていきます。 その時になにか障害物に当たると、まず、その障害物を押しのけようとします。しかし、押しのけられない!と判ると、今度は飲み込もうとします」(石黒さん)

写真のプラタナスがガードレールと合体したようになってしまった原因は、この「二次肥大成長」。肥大成長とは、太さを増す成長のことを指す。

「障害物を越えて形成層が細胞分裂し、木部(もくぶ)をどんどん肥大方向へ発達させ結果的に飲み込んだような形になる」そうだ。

アスファルト舗装にヒビが入り、割れているのを見たことはないだろうか。

あれも根っこの肥大成長によるもので、成長していく木がいつまでたってもアスファルト(障害物)を飲み込めないので、結果的にそれを押し上げ、破壊してしまうのだという。

ガードレールを伝って伸びようとした跡が...(写真は高木さん提供)

今回のように、木が人工物を飲み込んでしまうことはよくあるのだろうか。

石黒さんは、

「都会では(田舎でも)比較的よく見かけると思います。
木と障害物の位置関係が大きいでしょう。
そしてなにより、樹種による差があります。肥大成長の早いものほど、飲み込みやすいと言えるでしょう。
プラタナスは『飲み込みの木』のトップクラス(日本で)です。クスノキなども有名です」

と、教えてくれた。

「ネットで、『飲み込みの木』と画像検索すると、いろいろと出てくるでしょう」

という石黒さんの助言を受け、調べてみた。

すると、出てくる出てくる。看板やフェンスと合体した木や、なんとバイクと一体化したものまで。いったいどのくらい放置されていたのだろうか......。

今後、街で「飲み込みの木」を見かけたら、それまでの木の成長過程を想像してみるのもいいかもしれない。

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