「お菓子の島」が日本にあるって知ってる? 江戸時代から伝わる、平戸の伝統菓子を食べてみた
金平糖なのに、しょっぱい?
職場の一室で1人、ひたすら平戸の伝統的なお菓子を食べ続ける筆者。甘い匂いが充満し、お菓子の島ならぬ「お菓子の部屋」状態になっている。平戸の街も、このようないい香りがするのだろうか。
ここで百菓之図からは少し離れ、筆者がアンテナショップで見て、気になって購入したお菓子を紹介しよう。
こちらはショップのスタッフにおすすめされ、つい買ってしまった熊屋の「オランダボーロ」。プレーン、クリームチーズ、オランダを代表するエダムの3種のチーズをブレンドしている。
やわらかい触感で、ほんのり甘い。濃厚で深い味わいを楽しめる。チーズのうまみをギュッと濃縮した感じだ。チーズ好きにはぜひ食べてほしい一品である。
そして、あるテレビ番組でも紹介されていたという、蔦屋の「今平戸(こんぺいとう)」。雪のように白く美しい金平糖だが、実は驚きの仕掛けが隠されている。
その正体を伏せたまま、編集部のメンバーに食べてもらうと...
いぶかしげに顔をしかめる同僚。狐につままれたような顔で今平戸を舐めていたが、しばらくして満面の笑みを浮かべた。どうやら思っていた味と違って動揺したらしい。
「舐めた瞬間、港町を思い浮かべました...」というコメントを残している。
それもそのはず、今平戸は「塩味」の金平糖。砂糖のように甘いか思いきや、口内に広がるのは塩の風味。それが彼に平戸の海を想起させたようだ。
ただ、今平戸は噛むと甘い味がする。しょっぱさと甘さ、同時に味わうことができるというわけだ。同僚も気に入ったようで「スイカに塩といった感じでおいしいですね」と話していた。
東京のオフィスにいながら、平戸のお菓子を堪能した筆者らだが、まだ満足できないところもある。復元菓子の一つ「烏羽玉」を食べることができなかったのだ。
岡山館長も「おいしい」と太鼓判を押す烏羽玉は、蔦屋と松浦史料博物館でのみ提供されている。
黒餡の中に炒った黒ゴマを混ぜ、求肥で包んで和三盆をまぶしている。甘さ控えめで、ゴマの風味が楽しめるという。
平戸に行ったら、絶対これを食べなければならない――そう固く心に誓った筆者。2021年4月には大規模改修中の平戸城がリニューアルオープンする。松浦家が居城とした平戸城を見上げながらお菓子をつまむのも良いかもしれない。
平戸の詳しい情報はこちらから。
なお、平戸観光協会では、記事中で紹介した「蔦屋」や「牛蒡餅本舗 熊屋」などのお菓子をちょっとずつ食べ歩きできる「スイーツ巡り!Cyoi食べクーポン」も販売している。
<企画編集・Jタウンネット>