「おっきいベーコンに見えた」「小動物と勘違い」... 宮崎の路上によく落ちている、謎の物体の正体は
2021.01.16 20:00
「年中落ちています」
冒頭ツイートの投稿者・愛する故郷 宮崎県さんによると、この写真を撮影したのは、2020年11月頃だった。木の皮は、「年中落ちています、道路脇だけでなく、道路のど真ん中に落ちている時もあります」とのこと。別に珍しいことではないそうだ。
Jタウンネット記者は、次に宮崎県庁の県土整備部に電話取材した。
県土整備部の担当者はこう答えてくれた。
「宮崎市内の国道10号線と220号線の街路に、ワシントニアパームというヤシの街路樹が植えられています。植えられてから50年以上経っており、木の皮が朽ちて、落下するケースがあります。毎日巡視しており、また通報があれば回収作業を行っています」
落ちる木の皮の大きさは30センチほど。外見は硬そうだが、実際は柔らかいので、事故につながったという報告はあまり受けていないとのこと。しかし「車を走行中は、なるべく避けた方がよろしいでしょう」と担当者。
ワシントニアパームが植樹されたのは、1960年代。「宮崎観光の父」と言われる宮崎交通創業者の故・岩切章太郎氏が市内に植えたのが始まりとされている。南国ムードの演出に効果を発揮し、当時の「新婚旅行ブーム」に貢献した。
50年前には4~5メートルだった木も、現在は20メートルを超えるという。「高所作業車でも、枝葉の剪定作業はなかなか難しくなってきました」と、担当者は語る。樹齢を重ねたことによる立ち枯れや、強風による倒木の危険性も出てきたそうだ。
そこで2017年から、国土交通省によって、ワシントニアパーム約840本の植え替え工事が進められている。ただこの工事は、かなり長期間に及びそうだ。