めちゃくちゃ縁起良さそう 100均のミニ門松がロボットに変身...その名も「キンガーネンガー」
2021年のお正月休み、読者の皆様はいかがお過ごしだっただろうか? 帰省もせず、初詣にも行かず、しかし例年になくあわただしく終わってしまった......、そう感じている方も多いことだろう。
ところで、せっかく飾ったお正月飾りだが、一週間もすれば片づけなければならない。
例年であれば、片づけた後にお焚き上げするところだが、今年は新型コロナウイルスの影響でどんど焼き(左義長)が中止になっているところもある。
そんな中、正月飾りにこんなリサイクル方法があったのか、と話題になっているものがある。2021年1月3日に投稿された、次のようなツイートがきっかけだ。
なんと100円ショップで買った「ミニ門松」を加工して、ロボットを作ったのだという。このツイートの投稿者は、紙製ロボットやフィギュア、プロレスマスクなどを制作する造形師の安居智博(やすい・ともひろ)さん(@kami_robo_yasui)、京都在住のアーティストである。
このツイートには、9000件を超える「いいね」が付けられ、今も拡散している(1月6日夕現在)。ツイッターにはこんな声が寄せられている。
「可愛らしい門松くんですね!」
「頭部の三連装ビーム砲が好きです」
「開運ロボ! 発想がすごいですね」
「バドーロボット カドマツマン!」
さっそく門松マンなどと愛称が付けられ、人気者となっているようだ。
Jタウンネット記者は、安居智博さんに詳しい話を聞いた。
門松ロボットの本名は、「キンガーネンガー」?
安居さんが作った「門松マン」(写真上)をよくご覧いただこう。「迎春」「開運招福」といった文字も見える、新年の清々しさを表現した、なんとも凛々しい姿ではないか。
「制作のきっかけは何でしたか?」というJタウンネット記者の質問に、安居さんはこう答えた。
「普段から日用品や駄玩具を使って、さまざまな人形を作っているのですが、今回はお正月ネタということで門松を選びました。門松ロボットは最新作というわけではなく、2年くらい前に作ったものです。その時に『キンガーネンガー』と名付けました。今回、追加の作業としてアクションポーズの写真を新たに撮影しました」
門松ロボットの本名は、「キンガーネンガー」というらしい。
「キンガーネンガー」の制作にあたっては、どんな思い入れ、こだわりがあったのだろうか?
「ふざけたものを作る中にも『縁起物』としてのデザインの法則を守ることを心がけました。 門松などの縁起物は、構成されている一つ一つの要素の末端が上に向かって伸びるようにデザインされています。
そういった伝統的なデザインの法則を無視して、例えば竹の先端の斜めにカットしてある部分を下向きに使ったりすると、感覚的にすごく不快な印象の造形物になってしまう、ということに、この時初めて気がつきました」
安居さんは改めて、伝統的なデザインの重要性を認識したという。
ところで、Jタウンネットが安居さんを取り上げるのは、2回目である。2020年3月12日、「初心者マークが特撮ヒーローに変身 造形師の力作が話題『初心者のクオリティじゃない』」という記事では「ワカバー」という初心者マークで作ったロボットを紹介した。
前回の「ワカバー」との作り方の違い、技術的な違いは、どんな点だったのだろう?
「それぞれ素材が違うので、カットの仕方や接着の方法は作るものによって異なってくるのですが、元ネタのデザインを人の形に再構築する難しさは毎回同じように感じています」
安居さんは、「ヤスイ締め」という独特の針金の留め方で素材を接合している。今回の門松ロボットでも、「ヤスイ締め」を使っているのだろうか。
「今回の門松ロボットでも、肩、ヒジ、股関節、ヒザ、足首に『ヤスイ締め』を使っています。小学3年生の時に考案した、カミロボ(編注・安居さんが幼少期から制作している紙製のロボットファイター)独自の関節可動の仕組み『ヤスイ締め』によって、全身の関節が動きます。全体の配色に合うように、今回は赤の針金を使いました」
自由自在に動き回る門松ロボット、「キンガーネンガー」の活躍で、憎きコロナたちをぶっ飛ばしてもらいたいものだ。