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2.5トンのホワイトコーンが即完売! コロナ禍のフードロス問題をSNSで解決し続ける若者がいた

松葉 純一

松葉 純一

2020.08.28 11:00
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新型コロナウイルス感染拡大の影響による「フードロス」の問題は、未だに続いているようだ。レストラン、飲食店などで、客足がなかなか戻っていないからだ。

次のようなツイートが8月25日に投稿され、話題となっている。

写真は、北海道中西部に位置する真狩村で生産されたホワイトコーンだ。羊蹄山の南麓に広がる肥沃な農地で栽培されたコーン2.5トンの売り先を探しているという。「値段安ければ買ってみたいという方いましたらRTかいいねいただけたら嬉しいです」というコメントが添えられていた。

このツイートには、「これは!!! 食べてみたい! 」「ホワイトとうもろこし 大好きです」「白いとうもろこし 食べたことないので 食べてみたいです」などといった声が、全国から寄せられている。

Jタウンネット編集部は、この呼びかけをした投稿者・三浦大輝(@yasai_md)さんと、上述のツイートで紹介された北海道真狩村の生産者・三野(みの)農園の三野伸治さんに話を聞いた。

レストランからの注文が戻りきっていない

ホワイトトウモロコシ(三浦大輝さんのツイートより)
ホワイトトウモロコシ(三浦大輝さんのツイートより)


まず、電話で答えてくれたのは、東京都文京区根津で野菜卸売と八百屋を営む、八百屋・菜根(さいこん)たんの三浦大輝さんだ。実は、三浦さんには4月に取材したことがあった。新型コロナウイルスの影響で2トンの在庫を抱え苦しんでいた千葉県印西市の農園が生産した野菜のセットの購入をツイッターで呼びかけ、救ったのだ。

今度は北海道の農園。いったいどういうきっかけで始まったのだろう。

「三野農園さんは、西洋野菜を作る農家として日本トップの知名度を誇り、多くの高級飲食店で使われる西洋野菜を多品目栽培しています。品目の希少性と品質の良さから、主な取引先はレストランや大手百貨店でした。
コロナの影響でホワイトトウモロコシ2.5トンの売り先がなくなってしまったので、こうして直接消費者の方々に届ける形をとらせていただきました。

今回販売したのは、ホワイトトウモロコシのロイシーコーンという品種で、甘みが強くミルキーな風味が特徴です。
8月26日18時に、弊社のオリジナル通販サイトで売り出したところ、開始約30分で500箱、2.5トンが完売しました」

約30分で2.5トンが完売とは、驚きだ。4月の野菜セットの企画は、他社の通販サイトで販売したが、今回は自社オリジナルの通販サイトを用意したようだ。

「弊社には、飯島という役員がいまして、現在、東京大学大学院在学中で、AI・ブロックチェーンなどの最先端技術のエキスパートなのですが、この通販サイト構築を手がけてくれました」

三浦さんの打つ手のスピードは、相変わらず速い。4月の取材時ではまだ構想に過ぎなかったものが、着々と現実になっているようだ。

三野農園から望む羊蹄山(三浦大輝さんのツイートより)
三野農園から望む羊蹄山(三浦大輝さんのツイートより)


次に話を聞いたのは、真狩村の生産者・三野農園の三野伸治さんだ。

「真狩村のヨーロッパ地方に近い気候を活かし、10年くらい前から、日本では珍しい西洋野菜約30品目を栽培しています。一般流通の少ない希少野菜の栽培にチャレンジしており、主にレストランや全国の百貨店へ販売してきました。

ところがコロナの影響で、レストランからの注文がまだまだ戻りきっていません。通常の半分ほどでしょうか。夏から秋に向かって、洋食系の希少野菜、特殊野菜の収穫を控えています。これからが正念場だと言えます。

ネット通販による一般消費者への直接販売に踏み切ったのは、そういうわけです」
三浦大輝さん(左)と三野伸治さん(右)(三浦さんのツイートより)
三浦大輝さん(左)と三野伸治さん(右)(三浦さんのツイートより)

三野さんにとっては、かなり思い切った決断だったようだが、約30分で2.5トンの在庫が売り切れたことには、どんな印象を持ったのだろう。

「たった30分で2.5トンがさばけてしまうとは、驚くしかありません。しかも全国の消費者から注文があったそうで、北海道にいては考えられない結果です。手応えを感じました。

もちろん三浦大輝さん個人の力が大きかったと思います。今回も三浦さんがツイートで呼びかけてくださったのですから......。三浦さんが常日頃、SNSを通して発信し続けていることが、こういう形で成果となったわけだと思います。

しかし私個人としては、今までとは違うやり方を考えなければいけない時代なんだな、ということを痛感しました。北海道で農業をしていても、今までと同じではダメだ。新しいやり方を探さなければと思っています」

三野さんは、この秋、次の企画を準備していると、語った。SNSを駆使した、北海道真狩村産の希少野菜のオンライン通販。いったいどんな野菜が登場するのか?

ここから新しい動きが、確実に、生まれているようだ。

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