山梨とは「富士山」、長野とは「国境」を奪い合い... 静岡の抱える「領土問題」が思った以上に深刻だった
1メートルずつ国境が移動→ガチだった
Jタウンネットは28日、北欧の侯爵さんに詳しい話を聞いた。
静岡在住の学生だという北欧の侯爵さんは今回の投稿の理由について、
「愛知、神奈川の方には静岡に興味を持ってもらえるため、山梨、長野の方とはより親交を深めるために投稿しました。富士山の頂上については前々から考えていて、今回ツイートとして形にする際に他3つを追加した次第です」
と話す。たしかに富士山はなんとなく分かるが、他の3か所はどうして奪い合う形となってしまったのか。それぞれの事情を解説してもらった。
まずは、長野との県境にある兵越峠。説明中の「1メートルずつ国境が移動する」というのは、毎年10月に行われるイベント「峠の国盗り綱引き合戦」のことだ。
遠山郷観光協会の運営するサイト・信州遠山郷によるとその合戦の内容は、飯田市南信濃(信州軍)と浜松市水窪町(遠州軍)、それぞれの商工会青年部から精鋭が選出され、「国境」をかけた綱引き3本勝負に挑むというもの。勝った方が1メートル、相手側に領土を広げることができる。
国境は実際の県境ではないが、海のない信州軍は「太平洋を信州に」を合言葉に合戦に挑んでいるらしい。1987年から30年以上に渡って戦い続けているのだから、なかなか本気度が高い。
なお、画像では「静岡県が優勢」とあるが、上述のサイトによると2020年7月現在信州軍が優勢で、国境は実際の県境よりも2メートル静岡側にあるようだ。
続いて、湖西市。こちらは明らかに静岡の市だが、なぜ愛知と奪い合いになるのか。
遡ること15年前、浜松市、浜北市、天竜市、舞阪町、雄踏町、細江町、引佐町、三ヶ日町、春野町、佐久間町、水窪町、龍山村の12市町村が合併し、2005年7月に新しい浜松市が誕生した。県西部の大半が浜松となったが、同じく西部に位置する湖西市は、03年に合併協議会の不参加を表明しており、新・浜松市には加わらなかった。
そんな背景から、北欧の侯爵さんは「湖西市は愛知への合併を目論んでいるのではないか」という冗談話を聞いたことがあるという。そのため、愛知が自県に引き入れようとしている説明になったそうだ。
最後に、熱海。こちらも静岡の有名観光地だが、神奈川の観光地・箱根と同一視されることがあったため湖西と同様の説明にしたという。ちなみにモナコと似ている件については、19年6月12日付のJタウンネットの記事「どっちが熱海でどっちがモナコ? ソックリすぎる景観に再注目、市も『よく似ている』」で検証している。
北欧の侯爵さんはそれぞれの国境争いについてどう思っているのだろうか。聞いてみると、
「長野については今後も友好的な県でありたいですね!なにより戦国時代から武田家は恐ろしいですし!湖西については、私は徳川贔屓なので渥美半島等とともに『三河県』として独立するなら、静岡でなくても許せるかもしれませんね!熱海は静岡であってほしいです...!皆さんもぜひお越しください!
富士山は.........宝永山(富士山の南東にある側火山)がある富士山こそ美しいと思います!」
とコメント。宝永山は山梨側からほぼ見えない...。やはり静岡県民は、富士山だけは譲れないようだ。