「カニに柿を投げつけるのはやめて」 江ノ電・長谷駅の注意ポスター、完全に「さるかに合戦」だった
鎌倉大仏のある高徳院や、四季折々の花が楽しめる長谷寺の最寄り、江ノ島電鉄・長谷駅(神奈川県鎌倉市)。その構内に掲示された、こんな貼り紙がツイッターで話題になっている。
「お願い
ただ今の季節、朝晩を中心にホームやトイレ内に、カニが闊歩している時がございます。 お足元には、十分ご注意ください。
また、おにぎりとタネの交換は、ご遠慮ください。
カニに、青柿を投げつける行為も、お止め下さい」
この貼り紙を紹介したのは、ツイッターユーザーのびねこ(@bnekop)さん。駅にカニが出るのか...という驚きはさておき、注目すべきは最後の2行。どこかで聞き覚えのある行為かと思えば、日本の民話「さるかに合戦」のエピソードだ。
物語の冒頭では、サルの持っていた柿の種とカニの持っていたおにぎりを交換する。実った柿をとってもらおうとするも、サルは自分が食べるばかりで、しまいには青柿をカニにぶつけてしまう。そこからカニの子供と仲間たちによる敵討ちが始まるというわけだ。
有名な民話だけに、これを見て「さるかに合戦だ!」と気づく子供もいることだろう。ツイッターではこの貼り紙に対し、
「カニに優しい世界」
「猿にも伝えておいた方が良いかと」
「ただ駅も混んでるんで並んで真っ直ぐ歩いて欲しいですねw」
といった声が寄せられている。
「係員が遊び心で...」
カニに優しい貼り紙はなぜ誕生したのだろうか。
Jタウンネットは7月27日、江ノ島電鉄鉄道部の担当者に取材を試みたが、
「掲示は長谷駅の係員が遊び心で書いたもの。会社からこう書くように指示したわけではなく、コメントできる立場にない」
との回答。ただ、駅にカニがいるのは事実だという。
ではどんなカニが、どのくらいの頻度で出没するのか...カニに関して詳しい話を聞こうとしたが、こちらについても回答は得られなかった。
ツイッターで検索すると、数は多くないものの、長谷駅付近に現れる小さなカニの投稿が複数見られた。長谷駅付近には小さな川が流れているが、そこからやってきたのだろうか...。
また貼り紙に関しても、18年7月にも長谷駅で同様の掲示がされていたとの報告がある。デザインは今と異なるが、その頃からすでに「柿の種とおにぎりの交換はご遠慮ください」との注意文があり、さるかに合戦を意識していたようだ。