ミニトマトのヘタは「取ってから保管して」 付けっぱなしだと雑菌の温床に...農家直伝の保存テクが話題に
先日、夕飯の付け合わせにミニトマトを一袋購入した。
半分ほど使って、残りは後日食べようと置いていたのだが、2日後にトマトを取り出すと、ヘタの部分に白カビがもっさりついていた。
ジメジメした日が続いているとはいえ、こんなにも早くカビてしまうのか...!と衝撃を受けていた筆者の目に、こんなツイートが飛び込んできた。
こちらは、新潟でトマトやトマト加工品を、新潟市でトマトと、トマト加工品を生産する曽我農園の公式ツイッター(@pasmal0220)が2020年7月3日に投稿したツイート。
どうやら、ミニトマトはヘタを取ってから保存した方が良いらしい。
この投稿には、
「言われてみれば、カビ生えてくる時はヘタのところからだわ、と常習犯は思った」
「知らんかった!!ヘタついたままの方が鮮度長持ちやと思い込んでた~!」
「お弁当の時は、ヘタの彩と摘みやすさで、付けたまま入れてました。早速、取らなくちゃ」
など、驚きの声が寄せられている。
Jタウンネット編集部は6日、曽我農園代表の曽我新一さんに詳しい話を聞いた。
購入後即ヘタ取りが吉!
曽我さんによると、ミニトマトにヘタを付けたままにしておくと、白カビや青カビ、黒カビなどが繁殖する場合があるという。
「多くの場合、袋にいれたままだとトマト自体の呼吸によって湿度が高くなります。特に梅雨は温度と湿度が高いのでヘタに雑菌が繁殖しやすい条件が整っています」
「ヘタを取ることでトマトの呼吸が抑制されるので湿度が抑えられると考えられます」(曽我さん)
カビがヘタ部分に繁殖しやすいのは、もともと付いている菌が多く、また洗っても果実表面と比べて菌が落ちにくいからだと考えられるという。
園芸学会が発行する学術誌「園芸学研究」に掲載された論文「ミニトマトのへたの有無が貯蔵性に及ぼす影響」(高橋賢人ら、2019)によると、トマトのヘタに存在する真菌の絶対数は、トマト果実に比べて約4倍という報告もある。実際にヘタなしとヘタありのミニトマトを比較する実験を行ったところ、カビはヘタがある方にしか発生しなかったそうだ。
そうなると、スーパーでミニトマトを買ってきたら、直ぐに全てのヘタを取ってしまった方が良さそうだ。お弁当ではヘタがあった方がつまみやすいが、密閉された空間に温かいご飯やおかずと入れるのはリスクが高い。
また、トマトは収穫後も成熟が進む。気温の高い梅雨の時期は特に熟しやすいので、冷蔵保存した方が長持ちする、と曽我さん。
なので、この時期におすすめのトマトの保管方法は、
「ヘタを取ってから綺麗に洗って水分を拭き取りタッパーなどで(冷蔵、冷蔵で)保存するのが良いかと思います」
とのことだ。家庭の冷凍庫で凍らせる場合は、1か月~2か月で消費するのが望ましいという。
ただ、これは高温多湿の時期の保管方法。曽我さんによると、春先など気温も湿度も低い時期は、常温保存することで追熟(編注:収穫後に完熟させること)し、酸味が抜けて食べやすくなる。
この場合は、通気性の良いザルで保管するのが有効だ。梅雨時期よりはカビは生えにくいが、この場合もやはりヘタをとっておいた方が安心だという。
ちなみにこれらの保管方法は、ミニトマトだけでなく、大玉サイズのトマトにも有効だそう。
トマトが美味しいこれからの季節、ぜひ覚えておきたいライフハックだ。