ツッコミ所のオンパレード... ホーチミンに実在する「雑に再現された歌舞伎町」が逆に最高だと話題に
ホーチミンはベトナム最大の都市で、かつてはサイゴンと呼ばれ、「東洋のパリ」とも称された美しい街並みで知られている。現在は経済成長めざましく、高層ビルが立ち並び、約800万人の人々が生活する、東南アジア有数の経済的中心地の一つだ。
このホーチミン市在住のライター、日本語教師の渋澤怜(@RayShibusawa)さんが、2020年6月17日に投稿した、次のようなツイートがいま話題となっている。
なんと、ホーチミンに「歌舞伎町」っぽい空間があるというのだ。
話題になったツイートは、「ホーチミン郊外に突如現れたフェイクな居酒屋『チルタウン』行ってきました」という報告だ。
写真には、日本語の看板が多数見えるが、渋澤さんは「いろんな意味で間違いまくってるど...これ、わざとなのか? 偶然なら奇跡だぞ」と指摘する。
「歌舞伎町や渋谷センター街を模してるっぽいけど、本気で模してはいなくて、すっごい雑でテキトー」
だという。
一見、日本のようだけど、よく見ると日本語がかなりおかしい。外国人には日本に見えるかもしれないが、日本人が見ると明らかに変だ。「その面白さは日本人しか味わえないはず...」と、渋澤さんはつぶやく。
このツイートには、7万4000件を超える「いいね」が付けられ、現在も拡散している(6月18日現在)。
どうやらこの「チルタウン」は外国人がイメージする「日本」、フェイクな日本なのだ。「チルタウン」についての渋澤さんのツイートは、まだまだ続く。いくつかご紹介しよう。
歌舞伎町を再現する気は元々ない?
渋澤さんは別のツイートで、こう語っている。
「チルタウンはある意味本当に良くできていて、写真映えがすごいんだけど、本物は予想以上にハリボテで、安っぽいです。 ライティングとか看板の配置が素晴らしすぎるんです。SNSで強い。 雰囲気的にはFF7のコルネオの館に近い感じです。もはや元から歌舞伎町を再現する気はないと思われる」(渋澤怜さん)
リアルな歌舞伎町や渋谷センター街の再現など、最初から狙っていない。いわゆる、インスタ映えに特化した空間ということだろうか。それはそれで興味深い。
渋澤さんは、さらに、こうも続ける。
「チルタウンの一番いいところは、『チルタウン』って名前と、それがカタカナ表記しかもポップ体なところなんだよな... 名前が一番いい...」(渋澤怜さん)
ツイッターにはさまざまな感想が寄せられているが、その中にはこんな声も......。
「まんまブレードランナーやニンジャスレイヤーの世界観だこれ...行ってみたい」
「ハリウッド版攻殻機動隊感がしますね」
「洋ゲーによくある日本だこれ」
フィクションの中で創り上げられた、日本に似た疑似世界を感じる人が多かったようだ。現実の日本とはあまりにも違和感があるからだろうか。
ツイッターには、次のような反応もあった。
「『私たちへようこそ』がツボです」
「『レストラン 放送する』がツボに入ってしばらく笑いが止まりませんでした」
「だめです だめです が ジワジワきます」
しかし、そこで笑うのは、日本人だけだろう。訪れるベトナム人、欧米人たちは、きっと満足するはずだ。
「観光ツアーのルートに絶対入りそうですね! 早くコロナ騒動おさまらないかな~ 絶対行ってみたい」といった声もあった。行ってみたい日本人も多そうだ。