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「お気に入りの店があれば『今』行って。なぜなら...」 コロナで閉店決めた居酒屋からの切実なメッセージに反響

笹木 萌

笹木 萌

2020.06.10 20:18
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「お気に入りの店が緊急自体宣言解除後も潰れず乗り切って、安心されてる人へ」

京都市のたこ焼きが板居酒屋「京乃雫」の店長・御科(@takotenishell)さんが2020年6月9日にツイッターへ投稿した、こんなタイトルのメッセージが大きな反響を呼んでいる。

今月中に閉店することが決まっている京乃雫。店長は「お気に入りの店が存在するなら今行ってあげてほしい」と訴えているが、そこにはどんな真意があるのだろうか。

閉店間際の店長からのメッセージが話題(画像は京乃雫提供)
閉店間際の店長からのメッセージが話題(画像は京乃雫提供)

店長の思いは携帯のメモに綴られ、2枚の画像に分けて投稿されている。その内容を一部抜粋したものが以下になる。

「基本、賃貸のお店は不動産の関係で『今日閉めることを決意したから、今月末に閉めるわ!!とはいきません。(中略)ですので、コロナ自粛でお休みしていた3月~5月に『もう駄目だ~、閉めよう』と決められたお店が閉まるのは、本当にこれからなんです」
「今、胸中では閉めることをもう決めているけど、笑顔で『店長ここ潰れなくてよかったね!』『いや~補助金も出たしなんとか生き延びましたわ~』とか会話されてる店主さん、絶対にいると思います」
「今は生き延びていても、これからも自粛ムードは続いて、飲食は厳しい状況が続きます。うちは諦めましたが、諦められず融資に手を伸ばしたお店も沢山あります。そういう決断をされたお店は内心地獄なんじゃないだろうかと思います」

緊急事態宣言が解除され乗り切ったように見えても、実際はそうでないかもしれない――飲食店経営の裏側を綴った文章は、こんなお願いで締められている。

「貴方のお気に入りの店がまだ存在するのなら、『今』行ってあげて下さい。
そのお店はもう潰れることが決まっているかもしれません。まだ決まってなくても、絶望的な状況で必死にお店を開いているのかもしれません。そんな中で、それを隠して笑顔でお店をされてるかもしれません」

他の店舗からも「まさにその通りです」

新型コロナウイルスは未だ終息しておらず、飲食店側は巻き返しを図りたくとも、「たくさん来てほしい」とは言い難い状況。その思いを代弁したかのようなメッセージに、ツイッターでは、

「粉もののクレープ屋です。まさにその通りです」
「乗り越えた店も確実に絶大なダメージ受けてるところ大半だから正直予断を許さない状況ばかりな気がする」
「4月から、お気に入りのお店に片道30分かけて(自転車)週1〜2でテイクアウトしてます。絶対に生き残ってもらう」

といった声が寄せられている。

Jタウンネットは10日、店長の御科さんに投稿の真意を聞いた。

京乃雫は19年10月にオープン。ほぼ1人で店を切り盛りしてきた。もともと客は多くはなかったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で客足が減少。20年3月は1日あたり、多くても3人ほどの客しか来なかったという。

昨年10月にオープン(画像は京乃雫提供)
昨年10月にオープン(画像は京乃雫提供)

4月に入り、店長は自身のアカウントで、

「隠れ家的な店として、店長1人でしばらくはひっそりとやっていければと思っておりましたが、隠れすぎて普通に潰れそうです」

などと投稿。4000件以上リツイートされ、話題になった。それ以降は、ツイッターを見て訪れる客がほとんどだったという。

メッセージの真意は...

そして緊急事態宣言が4月16日に7都府県から全国に拡大。京乃雫は18日~5月6日にかけて休業した。その間に店をたたむ意思を固め、6月3日に閉店することを正式決定した。

店長はなぜ今回の投稿をしたのか。改めて聞いてみると、

「店が潰れないために行ってあげて!という内容だと思って下さってる方多いと思います。もちろんそれもありますが、どちらかというと、潰れてから『行けばよかった』と思うんじゃなくて、あとから自分が後悔しないようにあるうちに食べに行って、という気持ちが強いです」

とのこと。何とか継続しているように見えても、これから閉店する可能性もあると伝えたかったという。

投稿が話題になったことについては、「一人でも多くの方に読んでもらいたかったので嬉しいです みんな後悔しないでね」とコメント。京乃雫は28日まで営業する予定だ。

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