「呼ばない・行かない」で命を守れ 秋田のヒーローが本気で訴えた「帰省自粛のお願い」に反響
秋田県のご当地ヒーロー・超神ネイガーが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて発信したメッセージが話題になっている。
2020年4月17日、公式ツイッターで「おらから県民のみんなへ」として、
呼ばない
行かない
帰省しない
を呼び掛けたのだ。
この投稿は20日夕時点で約9万件のリツイート、16万件超の「いいね」が寄せられるなど、大きな注目を集めている。
詳細はこうだ。
○呼ばない
「県外にいる孫の顔が見たいなあ...」気持ちはわかるが、感染した場合にはおめだぢ大概死ぬぞ。顔なら見られる。文明の利器を使え。
○行かない
「田舎のおじいちゃん達に会いたいな」気持ちはわかるが、来てくれたところで何も出来ないし、出かける所もないぞ。自分たちで工夫して遊べ。
○帰省しない
「ヒマだし実家でゆっくりしようかな...」燃えるコロナの熱いクラスター、それがおまえだぜ。自分は既に感染していると思って行動を自粛してくれ。
以上が、超神ネイガーからみんなへのお願いだ。途中、かなりストレートな表現や、小林旭さんの歌によく似たフレーズが入っていた気がするが...。
そうした遊び心も含めて、ツイッターでは好評なようで、
「笑顔のおじいちゃん、おばあちゃんの横に『おめだぢ大概死ぬぞ』、のパンチ力w」
「小林旭で腹筋崩壊」
「ネイガーさん、ネタまみれなのに的確過ぎて素敵ですw」
といった声が寄せられている。
「地方に住む者の一人として」
超神ネイガーはなぜこのようなツイートをしたのだろうか。
Jタウンネットは20日、超神ネイガーの活動を支える会社・正義の味方(秋田県にかほ市)の担当者を取材した。
担当者によれば、今回の投稿は16日に対象地域が全国的に拡大した緊急事態宣言を受けてのもの。
このとき、佐竹敬久知事の「そもそも秋田の場合、郡部については普通の時も人が歩いておりませんので、あまりピンとこないと思います」という発言が話題となったが、これについて担当者は次のように話す。
「(知事の発言は)テレビを通じて話題となり、県外の方々からは、やれ自虐だ、受け狙いだ、危機感がない、などと捉えられた向きもあるようです。しかし我々県民から見れば、全く誇張などではなく、実際にその通りです」
密集・密室・密接の「3密」を避ける行動や、ソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)などについても、
「すでにできているので、そこから先何をすればよいのか」
と、やはりピンとこないというのが率直な感想だったという。
「常に混雑している東京都とは状況が異なるため、地方として今後の対応はどうあるべきか。地方に住む者の一人として、何をどう県民に伝えるか、そして今何が最も心配であるかを自分なりに(ネイガーなりに)考え、簡潔に分かりやすくまとめてみたものが件のツイートです」
たしかに秋田やその他の地方は、県外者の帰省を防ぐこともコロナ対策として重要だ。県内・県外の人がどのように行動すべきなのか、子供でも分かるようにまとめてある。
地方では地方にあった対策を
ところでユーザーからも指摘されていた、小林旭さんの楽曲「赤いトラクター」の歌詞に似たフレーズは何だったのか。こちらについて聞いてみたが、
「偶然です」
とのことだ。
超神ネイガーの呼びかけを受け、帰省を踏みとどまった人、改めて帰省しないと心に決めた人もいることだろう。担当者は投稿が話題になったことについて、
「何より共感を示される方の多いことに驚きました。地方に住む皆さんにとっては、都会的な『社会的距離』の心配よりも『地域内外からの移動や出入』を心配されていること。
今後の対策についてはやはり各地域・地方の姿に合った感染予防策が必要なこと、などを改めて実感いたしました。
移動せずに耐えている方々から『呼ばない』『いかない』『帰省しない』の決意を新たにしたとのコメントもあり、そのような方々の『しない勇気』を互いに励まし支えあうための、一助になったならば幸いに思います」
としている。