メタルファンにしか分からない? マニアックすぎる「手洗い20秒の目安」が話題に
ウイルスの感染拡大防止に欠かせない「手洗い・うがい」。
アメリカ疾病管理予防センター(CDC)は適切な手洗いの長さを「20秒以上」としている。イギリスのボリス・ジョンソン首相も、誕生日ソングの定番「Happy Birthday to You」を2回歌う間に手を洗おうと国民に呼び掛けた。
この方法はちょうど20秒くらいの長さになるということで、ツイッターでも話題になっている。
そんな中、大阪のライブハウスではこんな貼り紙が掲示された。
「手洗いは20秒!!」と大きく書かれた貼り紙。その下にはハッピーバースデーの歌を始めとした、20秒の目安になる曲とその箇所が書かれている。
「Happy Birthday」なら2回歌いましょう
「METALLICA/One」ならアルペジオにリードが入ってくるまで
「SLAYER/Angel of Death」ならトムアラヤのシャウトが入るまで
「MEGADETH/Tornado of Souls」ならドラムのリズムが入るまで
「NAPALM DEATH/You Suffer」は1秒しかないので20回繰り返してください
METALLICA(メタリカ)、SLAYER(スレイヤー)、MEGADETH(メガデス)は1980年代にデビューしたアメリカのメタルバンド。同年代にデビューしたANTHRAX(アンスラックス)と並び「スラッシュメタル四天王」と呼ばれている。
NAPALM DEATH(ナパーム・デス)も同年代にデビューしたイギリスのヘヴィメタルバンド。「You Suffer」は世界で一番短い曲としてギネスブックに掲載されており、その長さは2秒にも満たない。
正直、Happy Birthday以外わからない...という人もいるだろう。まさにメタルファンのためだけに作られたような貼り紙だが、そこにはどんな思いが込められているのだろうか。
Jタウンネットは2020年3月24日、貼り紙が掲示されている大阪・西心斎橋のライブハウス「Bigtwin Diner SHOVEL/PANHEAD GROOVE」を取材した。
選曲は「個人的な趣味」
ライブハウスは地下1階がSHOVEL、2階がPANHEAD GROOVEという名前で運営している。貼り紙を制作したPANHEAD GROOVEの店長によると、3月11日からトイレの洗面台付近に掲示しているという。
ツイッターではこの貼り紙に対し、
「いや、わかる、わかるけど、おっさん向けやんw」
「ナパームデスのところ、笑いましたw」
「せっかくなら四天王そろえてほしかったw」
といった反応が寄せられている。ユーモアを交えたライブハウスならではの貼り紙ということで、やはりメタルファンを中心に受けがいいようだ。
店長にこのような内容にした理由を聞くと、
「掲示以降のスケジュールにメタルイベントが多くあり、硬くなりすぎず楽しみながら手洗いに取り組んでいただけるよう、このような文面にしました」
とのこと。選曲については「個人的な趣味」だとしている。
これはさぞ貼り紙の効果もあることだろう。そう思って聞いてみたが、こちらのライブハウスでは新型コロナウイルス感染拡大の影響で、イベントの数が80%減少。貼り紙以外にも店内でのマスク着用を義務化、検温やアルコール消毒の呼びかけなど対策を講じているが、店長の肌感覚では来客数は半分ほどに減っている。そのため貼り紙に対する客の反応などは感じられないという。
店長は貼り紙がツイッターで話題になったことについて、
「話題にしていただくことで当店での取り組み内容が伝わり、お客様の衛生に対する意識の向上に繋がれば良いと非常に嬉しく思っております」
と話している。