高輪ゲートウェイ周辺「マジで何もない」説は本当なのか 現地を歩いてみた結果は....
ついに開業したJR山手線49年ぶりの新駅・高輪ゲートウェイ駅。2020年3月14日の開業以降、多くの人が駅を訪れている。
建築家・隈研吾氏デザインの「和」をイメージした構内、明朝体フォントの駅名表示、AI案内ロボットなど見どころがいっぱい。しかし、駅を降りた先には何があるのだろうか。
ツイッターには、「今日行ってきたけどマジで駅以外何もないよ」「周辺はまだ何もないから、これからだね」といった声も出ているが、本当なのだろうか。Jタウンネットは17日、高輪ゲートウェイ駅の周辺を散策してみることにした。
駅周辺は何もない?
開業して4日目、改札は2階に1つだけ。屋外のデッキからエスカレーターで地上に降りることができる。筆者が訪れたのは平日の朝10時頃だったが、駅の構内・デッキを含めて写真撮影をする人が複数見られた。
駅周辺は開発中、といったところだろうか。遠くにビル群が見える。
さっそく下に降りてみよう。道路に沿って品川方面に向かって歩いてみる。
デッキの下を通る道路は歩道が広く、人通りも少ない。駅周辺にはホールやイベントスペースがオープン予定だが、敷地内にはまだ入れないようだ。
駐輪場を発見。しかしこちらは、20年9月上旬までホールやイベントスペースで開催されるイベント「Takanawa Gateway Fest(高輪ゲートウェイフェスト)」専用だ。イベントは3月19日から開催予定だったが、新型コロナウイルスの影響で延期となっている。駅周辺が賑わうのはまだ先となりそうだ。
道なりに5分ほど歩いていくと、第一京浜(国道15号)に出る。ここで南側に進めば品川、北側に進めば泉岳寺(田町)方面だ。ビルはいくつも並んでいるが、目につくところに飲食店などは見られない。
泉岳寺方面に歩いてみるが、目立つ観光スポットはない。道路の向こう側にある、高輪神社ぐらいだろうか。気づかずに通り過ぎてしまったが、その近くには中華料理屋やローソンもあるようだ。
そして高輪ゲートウェイ駅を出発して10分くらいで都営浅草線・泉岳寺駅の入り口に到着。今回は最短のルートを通ったわけではなく、また写真を撮りながらゆっくり歩いていたので、本来は2~3分ほどでたどり着けるはずだ。
泉岳寺駅の入口がある交差点周辺はラーメン屋、居酒屋、レストランなど飲食店やホテルがいくつか集まっている。ここで東側に曲がると、高輪ゲートウェイ駅に戻れる。
フェンスで囲われたスペース内には芝生広場やフード&クラフトマーケットが20年4月27日にオープン予定だ。
あっという間に戻ってきてしまったが、駅周辺に特にめぼしいものはない。高輪ゲートウェイフェストも延期され、しばらくは何もない状態が続くのだろうか。いくら駅が新しくても、さすがにそれは残念すぎやしないか...。
そう思っていた矢先、筆者は駅のデッキで配られていた「高輪ゲートウェイ駅周辺 おさんぽマップ」をゲット。別の駅の方が近いスポットもあるが、駅のほぼ真裏(海側)にある「芝浦中央公園」は、(行きやすさは別として)位置的には一番近そうだ。
筆者はさっそく公園に行ってみることにした。
天井が低すぎる「高輪橋架道橋」を歩く
駅から海側には行けないため、泉岳寺駅にほど近い「高輪橋架道橋」を通って向こう側に行く。少々面倒くさいが、今のところはこれが一番近いルートのようだ。
高輪橋架道橋は、高さ制限1.5メートルととても低い。中には電灯が付いていて明るいが、とても令和の風景とは思えない寂しい空気が漂っている。意外にも無人ということはなく、人の往来が見られる。
最初は普通に歩いていたが、途中で高さが一段と低くなり頭スレスレの状態に。筆者の身長は164センチなので、最も低いところはそれよりわずかに高いといったところだろうか。背の高い男性などは首を傾けて歩いていた。
港区の公式サイトによると、架道橋は今年の4月12日から2032年3月末まで、トンネル新設のため車両は通行止めとなる。
架道橋抜けると道が二手に分かれ、「品川駅方面→」と書かれた矢印が出てくる。一度そちらに進んでしまった筆者だが、この方向に進んでしまうと品川シーズンテラスに着くまで芝浦中央公園には入れない。地図上では遠回りに見えるかもしれないが左手に進むのが正解だ。
ここまで、歩いて15分くらいはかかっただろうか。スロープのようになった道路を上がると、芝浦中央公園が現れる。公園は地上ではなく、芝浦水再生センター内の曝気槽(浄水処理を行う設備)の上部にフタをした人工地盤の上に造られている。
公園の階段を下りると、そこには品川シーズンテラスが。そろそろ、高輪ゲートウェイ駅の周辺というより、品川駅周辺という雰囲気になってきたので、そこで取材を切り上げた。
まだまだ未完成の施設も多かった高輪ゲートウェイ駅。今後に期待だ。