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広島の未来は「AI人材」が変える 逆転の発想が生んだ「革新的プロジェクト」の全貌

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2020.02.14 12:00
提供元:広島県

なぜプロジェクトを始めたのか

「ひろしまQuest」プロジェクトを引っ張る金田氏
「ひろしまQuest」プロジェクトを引っ張る金田氏

――そもそも、なぜAI人材を育成する「ひろしまQuest」を始めようと思ったのですか?

金田:まず、「ひろしまサンドボックス」という実証実験プロジェクトを進める中での実体験がベースにあります。プロジェクトの一環で色々な企業や市町村の話を聞いていくと、どうしてもデジタルテクノロジーを扱う人材が不足しているという声が多かったんですね。

やっぱり、デジタル分野に強い人材は首都圏に集中してしまう。じゃあ、地方としてはどうしたらいいんだろう。今いないのであれば、育成していく必要があるんじゃないか。そういった危機感から、ひろしまQuestを始めました。

――今回のプロジェクトの一番の特徴は、「AI人材の育成」と「地元の課題解決」が同時に実現できることにあると感じました。この点について、詳しく伺えますか。

金田:おっしゃる通り、ひろしまQuestは人材育成と地元の課題解決という2つの課題を、1つのプラットフォームで同時に解決していきましょうという取り組みです。ただ、どちらの比重が大きいかと言われれば、先ほども話したように育成の方が主体となります。

単に座学でデータ分析を学ぶだけでなく、もっとリアルなビジネスを知ることができる学習の場があったら、より実社会で活躍できる人材を育てることができるんじゃないか。

本音を言えば、そのための「教材」として、県内の企業にリアルな課題を提供してもらうという側面が強いです。

――逆転の発想と言えそうですね。AI人材を育成するために、地元が抱える課題を資産のように活用すると。

金田:県内の大学でも、データ分析などの専門学科が生まれています。ですが、AIについて学習する環境は整ってきているのに、学生たちがリアルなビジネスに触れる場が少ないという悩みがあるそうです。

そもそも、大学と企業と出会う機会自体があまりないと聞きます。あったとしても、企業がセミナーや公開講座を学生向けにやるくらい。

だったら、私たち県の商工労働局がリソースをかけて、アカデミアと県内の企業を結び付けるフィールドを作ってしまおう。そうした場作りは、行政という立場だからこそできるんじゃないかと考えました。
ひろしまQuestのビジョンを語る金田氏
ひろしまQuestのビジョンを語る金田氏

――AI人材と地元の企業が触れ合う機会そのものにも大きな価値がありそうです。

金田:これまでは、いくらAI分野に強い人材を育成しても、県外に流出してしまうという課題がありました。なので、県で育った子供たちが、そのまま県内で活躍してもらう流れを作りたいんですよ。

そう考えたときに、地元の企業が具体的にどのような課題を抱えているかを知る機会があるというのは大きいですよね。今回のプロジェクトには、そこの狙いもあるんです。

例えば、広島出身で県外の大学に行っている学生にも、ひろしまQuestに参加してもらいたい。そこで「地元にこんな課題があるなら、自分が身に着けたスキルを活かせる。じゃあ、広島に帰っちゃおうかな」となってくれたら理想ですよね。

もっとスケールの大きい話をすれば、ひろしまQuestで地元の課題を知った人材が、広島で新しいビジネスを起こすようになって欲しいんです。将来的には、そうした起業家たちが、県内企業のベンダー役として地元の課題を解決していく。それがゴールですかね。
今後の展開は...?
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