高齢化、経営不振、後継者不足... 消えゆく大衆浴場を救う「銭湯代行業」とは
2019.12.28 11:00
工事前の準備に悪戦苦闘
東京浴場はどんな姿になるのだろうか。
ロッカーの数を減らして更衣室を狭くし、ロビーを設置。ロビーにはたくさんの漫画を置き、浴場の壁画はプロジェクターに、水風呂や座り湯などお風呂の種類も充実させる。外からロビーの様子が見えるようにする――
工事自体は施工業者へ依頼するが、設備の確認やデザインは自分たちで行う。
「元の形にはこだわらないけど、ステンドグラスや床など生かせる部分は生かしたい」
リニューアルするにあたり、田川さんはこのように話す。
東京浴場に関しては周辺地域に温泉施設の競合があるため、方向性などは他施設と被らないようにするとのこと。収益を得られる見込みがあることを前提にしながらも、「遊び心を取り入れること」「訪れた人がわくわくする空間」にすることを目指しているそうだ。
しかし現在はまだ改装工事に取り掛かる前の準備段階。改装に当たって分からない部分が多く、作業は難航しているようだ。
半年ほど休業していたため、久しぶりに設備を稼働させてもお湯は薄く濁ってしまっている。もちろんこれをどうにかしなければお客さんは呼べない。この後「濾過器」を回し、お湯は見違えるように綺麗になったようだ。
またリニューアルにあたって、配管の配置を知る必要がある。お湯を流し、手で触ってその温度を確かめていくが...。なかなか根気のいる作業だ。