台風被害で「動物園状態」続く奥多摩・日原 「マスコミにも忘れられた」住民の嘆き
2019年の台風の被害は大きかった。各地に大きな爪跡を残し、復旧が進んでいないところも多いと聞く。
そんな中、次のようなツイートが投稿され、注目を集めている。
日原街道の崩落箇所は当分来年の4月以降にならないと、暫定復旧しません。日原はまだ孤立化状態です。仮設歩道を歩いている状態です。観光客や外部の人が来ないので、日原街道は動物園状態です。仮設歩道を歩くにも熊ベルをつけてます。??マスコミにも忘れられて、この状況を分からない方が多数です。 pic.twitter.com/OufhLzeTYf
— 奥多摩町日原(おくたままち にっぱら) (@nippara) 2019年12月19日
紹介されているのは、野生動物の姿や、仮設道路、崩壊箇所だ。ここが、本当に東京都なのだろうか?
投稿主は、奥多摩町日原(にっぱら)保勝会の公式アカウントだ。奥多摩は10月に列島を通過した台風19号で、大きな被害を受けた場所の一つだ。
「日原街道の崩落箇所は当分来年の4月以降にならないと、暫定復旧しません。日原はまだ孤立化状態です」「日原街道は動物園状態です」という悲痛な報告だ。仮設歩道を歩くにも熊ベルをつけているらしい。
このツイートに対して、こんな声が寄せられている。
「おそらく台風の影響で孤立した山間部に復旧がおいついてないという状況が全国で起っているのでしょうね」
「こまで復旧が遅れているなんて知りませんでした」
「今も車道が通行出来ないという事で大変な生活と想像します」
Jタウンネット編集部は、奥多摩町日原保勝会に取材した。
シカ、サル、タヌキ、キツネ、リスなど......
Jタウンネット編集部の取材に答えてくれたのは、「日原保勝会」の担当者だ。
「私も仮設の歩道を使用して通勤していますが、帰りの日原街道には、暗くなると、ニホンジカ多いときは5頭以上いるときもあります」
上のシカの写真は、担当者が偶然遭遇し、とっさに撮影したものだという。
「現在もっとも多いのは、サルです。人家の畑など、日原街道にも、集団で出てきています。あとは、タヌキ、キツネ、リスなど普段も見られますが、崩落後はよく見るようになりました」
しかし、これが東京都のリアルな光景なのだろうか。
「現在は、崩落場所の前後を送迎車で平日5便、休日2便で運行し、バスの代わりとしています。車のある人は、途中まで車で行き、歩道を歩き、その先を送迎車か自分で用意した車を使用しています。また、ありがたいことに2人の方が車を貸していただき、それを、利用させていただいています」
崩落箇所や復旧状況については、東京都に聞いてくださいということだ。
東京都建設局告知の「都道の通行止め情報」(12月23日)によると、
「一般都道204号(日原街道)通行止め区間は、西多摩郡奥多摩町氷川(根元神社北)~西多摩郡奥多摩町日原(日原終点)の約10キロで、開始日時は10月12日午前8時からで、解除日時は未定となっている」
台風19号の影響による道路通行止めは、他にも、あきるの市、青梅市、日野市、八王子市などにもあり、解除日時は同様に未定となっている。
オリンピックを控える東京都だが、この状態はいつまで続くのだろうか。