卵黄のサイズは全部同じって本当? ネット拡散の噂、JAに聞くと...「それは間違いです」
「卵が大きくても小さくても黄身の重さは、ほとんど変わりません。
大きなサイズは白身の量が多いのです。
必要な料理によってサイズをお選び下さい」
これは、とあるスーパーの卵売り場に貼られていたという掲示物の内容。卵の大きさにかかわらず黄身の量はほぼ同じだと説明している。本当だとしたら卵黄好きにはちょっとショックな、驚きの豆知識だ。
この掲示は、ツイッターユーザーの株式会社さーしゃ(@sarsha13)さんが2019年10月26日に投稿したことで大きな注目を集めた。ネット上には驚きの声があがったほか、
「ごめん これ昔から知ってた」
「Sサイズ卵を売りたいお店は、速攻のこのチラシを貼ればうまくいきそう」
「親に言われてたのと、あと学校の家庭科でも先生が言っていたようなきがする」
といったコメントも。どうやら、以前から広まっていた情報だったようだ。
しかしその一方で、
「ないないないない。Lサイズの卵とMSの卵で同時に目玉焼きしたけど黄身の大きさ二倍くらい違ったもん」
「これはうそ。黄身の大きさも変わる。大いに変わる。変化量が白身の方が大きいっていうだけ。実家で鶏を飼っていて、毎日のように卵割って確認してたから間違いない」
という否定派の意見もあがっている。
見事に意見が真っ二つに割れているが、この「黄身の大きさ全部一緒説」は本当なのだろうか...。Jタウンネットは10月28日、JA全農たまごにその真相を聞いた。
鶏の年齢が上がると...
黄身の大きさは全部一緒なのか。JA全農たまごの担当者は、この噂を「間違いです」と否定した。
「若い鶏は卵黄が小さく、歳を重ねると卵黄が大きくなっていきます。卵自体の大きさも若い鶏が小さめで、年配の鶏の粒は大きくなる傾向にあります」
つまり、鶏は年をとるにつれ大きな卵を産む。基本的に卵が大きくなるにつれ卵黄の量も多くなる傾向にあるということだ。
黄身の大きさがすべて一定ではないことは分かった。しかしネット上では、「卵が大きくなると黄身も大きくなるが、結果的に卵白の比率が大きくなる」という説もあがっているが、こちらについてはどうだろうか。
担当者によれば、
「卵黄比率も実は年配の鶏の方が大きくなる傾向になります。非常に若い鶏はどちらかというと卵白が多め。卵黄比率は22、3%くらいかな。年齢が上がると、卵の全体の比率の30%くらいまで上がっていくので、成長ととともに卵黄比率もどんどんあがっていきます」
とのこと。年配の鶏が産んだ大きい卵の方が、卵黄比率も大きい傾向にあるという。
ということは、Lサイズの卵を買えば黄身をたくさん食べることができるということだろうか。
担当者は「その可能性が高いです」としつつ、例外もあると話す。
ここで注意したいのが、1羽の鶏が産む卵の大きさは日によってばらつきがある一方で、卵黄の大きさにばらつきが少ないとされる点だ。
つまり、年配の鶏が産んだ小さい卵は、「小粒なのに卵黄大きめ」タイプになる。その一方で、若い鶏が産んだ大きい卵は「大粒なのに卵黄小さめ」になるということ。そうした理由から、卵自体は大きいのに、卵黄は小さい卵と同じくらいだった――なんてことが起きるというわけだ。