なるほどそう来たか... 小倉競馬場で売っていた「馬チュロス」、予想外すぎる形状が話題に
まず写真をご覧いただこう。緑の芝生が一面に広がっている、爽快な光景だ。それにしても唐突にも突き出された、串の上の「馬」の漢字は何だろう? なんとなく美味しそうだから、食べ物であることは想像できるが......。
ここは、福岡県北九州市にある小倉競馬場だ。
馬の漢字をかたどっているのは、チュロスだ。チュロスとは、スペイン、ポルトガル発祥の揚げ菓子だ。この「馬チュロス」が、2019年8月18日、小倉競馬場で限定販売され、SNSで大きな話題となった。
「馬チュロス」とは、どのように生まれたのか? Jタウンネット編集部は、福岡に電話して詳しい話を聞いてみた。
「馬チュロス」の反響は予想以上だった
電話で答えてくれたのは、「馬チュロス」を製造販売する「DANNY CHURROS」の店主・長谷川友紀さんだ。
「チュロスで数字やアルファベット、ひらがなまでは作っていましたが、漢字は避けていたのです。やはり画数が多くなると難しいから(笑)」
「ところが今年2月、小倉競馬場さんから何かできないかというお話をいただいて、漢字を作ってみようかと思うようになりました。いろいろ試作を繰り返しながら完成したのが、この『馬チュロス』です」
8月18日の小倉競馬場には、「これだけを買いに来た」というお客さんもいたそうだ。「馬チュロス」の反響は予想以上に大きかったようだ。
長谷川さんは福岡市天神を拠点に、揚げたてのチュロスを販売しているが、大きな特色がある。それは、米粉を使用したグルテンフリー素材、アレルギーのある子供たちにも優しい食品だ。しかも米油でカラッと揚げるので、外はサクサク、中はモチモチ新食感という。
「それって、揚げせんべいみたいなものですか」と聞くと、「近いかもしれませんが、ちょっと違います」と長谷川さん。
「チュロスの断面は、星型をしているのですが、それを真っ直ぐ絞り出して、60センチから80センチで切り、ハサミで切り分けながら、細かくつないで、文字に見えるように成形する際に、くっつけないとダメです」
と、長谷川さんは率直に話してくれた。そんなに詳しく話しちゃっていいの、企業秘密じゃないの、とJタウンネット記者が心配になるほどだった(......というわけで、これ以上は記事にはできないので、悪しからず)。
さて「馬チュロス」をはじめとする漢字チュロスは、福岡・天神にある「DANNY CHURRO」で食べることができる。自分の好きな漢字をオーダーすることもできる。もちろん画数によって料金が変わる。画数が多いとお値段も上がってくるそうだ。
最近はインバウンドの影響で、中国、台湾、香港などアジア諸国からの観光客が多いが、漢字チュロスは大人気だという。ハングルの注文もあったという。好きな韓流アーティストのハングル名をリクエストされることも......。
もちろん新元号にちなんで「令和」のオーダーもあった。「令和チュロス」、ちょっと食べてみたいかもしれない。「今までで一番印象的な漢字のオーダーは何でしたか?」と聞いてみた。それは......「愛」だった。チュロスの「愛」は、作る方も、食べる方も、なかなかハードル高そうだ。