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歌詞の「Hold me tight」、沖縄では放送禁止? 方言めぐる「都市伝説」の真偽を追う

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2019.06.22 20:00
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真相を追いかけて 追いかけて

この話自体、筆者は考えもしなかった。きっかけはJタウンネットのフェイスブックページに寄せられたコメントだった。

「沖縄ではシャネルズの『街角トワイライト』は放送できないし歌えないんだとか」

何がいけないのかよくわからなかった。歌詞を見返しても、とても放送禁止になりうる要素が見当たらない。

彼らのベストアルバム「14 CARATS」を耳に穴があくほど愛聴してきたが、放送禁止と結びつくときが来るとは考えもしなかった。

「街角トワイライト」のジャケット(画像はDiscogsより)
「街角トワイライト」のジャケット(画像はDiscogsより)

ツイッターを調べてみると、

「BGMでシャネルズの街角トワイライト。沖縄的には下ネタです」
「昔、沖縄でシャネルズの街角トワイライトが放送禁止になったとか。本当かな?」
「シャネルズの街角トワイライトも沖縄で歌いづらいよねw」

などの投稿があった。

イントロの「Hold me」がホーミーに聞こえるというのが所以のよう。ホーミーはモンゴルの伝統的な歌唱法ではなく、沖縄の方言で女性の秘部を表すのだとか。

なるほど。その意味であれば放送できないとの話もわからなくもない。

そこでJタウンネット編集部は2019年6月19日、沖縄の放送局にこの都市伝説について問い合わせた。

まずはテレビ局だ。沖縄テレビ、琉球放送、琉球朝日放送の3局の担当者に話を聞いた。あくまで担当者個人のレベルではあったが、いずれも、

「聞いたことがない」

との回答だった。

中には「そんな考え方があるのか」と感心されてしまう場面もあったが、筆者が勝手に言いだしたことではない。

次に行こう。音楽と言えばやはりラジオ。まずはAMのラジオ沖縄、琉球放送の担当者に話を聞いた。

琉球放送の担当者はテレビと同じく「聞いたことがない」との回答であったが、ラジオ沖縄の担当者はこう話した。

「聞いたことはないです。ただ、(放送禁止を)やってしまうと余計に意識してしまう」

確かに意識しなければ何の問題もない。

ここにきてようやくコメントが得られたものの、ここまで放送できない説が知られていないとは思わなかった。

最後にエフエム沖縄の担当者からも話を聞いた。ここでも担当者個人のレベルではあるが、「ガセじゃないですかね...」との回答。しかし、担当者は曲がヒットしていた当時について、こうコメントしてくれた。

「中学生がギャーギャー言っていた思い出があります」

最後の最後でようやく知っている人に出会えた。そもそも都市伝説自体を知らないのであれば、実際に禁止された事実は考えにくい。

さらに取材の最後にはこんなコメントもいただいた。

「これがダメだと『Hold me』が入る曲は全部アウトになってしまう」

完全に見落としていたが、その通りだ。「Hold me」のフレーズ自体、それほど珍しいわけでない。上田正樹さん「悲しい色やね」やC-C-Bの「Romanticが止まらない」など多くの曲が流せなくなってしまう。ビートルズにも、「Hold me tight」という楽曲がある。

「悲しい色やね」のジャケット(画像はDiscogsより)
「悲しい色やね」のジャケット(画像はDiscogsより)

そして「悲しい色やね」についても念のためツイッターを調べると、

「『悲しい色やね』を沖縄で歌ってはいけないのはあまり知られていない(性的な意味で」
「上田正樹の『悲しい色やね』の歌詞のHold me tightは、『ホーミータイ』って聞こえるから、沖縄での扱いはどうなっているのだろう???」

といったツイートがあった。

この都市伝説は「街角トワイライト」や「悲しい色やね」に限らずHold meが入った歌詞の曲、全般にかけられる可能性があるということなのかもしれない。

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