「背油チャッチャ系」の再現度やいかに? 札幌の名店「てつや」カップ麺を徹底レビュー
鼻に抜ける背脂の風味が光るスープ
まろやかな豚骨をベースに香りの強い濃口醤油を加えた、豚骨醤油味のスープです。ともすれば塩辛いと取られかねない強い醤油の香りと塩気ですが、スープ表面に浮く細粒でたくさんの背脂の甘みによってうまく中和されており、尖った醤油味を丸くしています。
そして背脂からは、甘みとともに豚脂のまったりした風味が強く感じられ、鼻に抜けていく背脂が「てつや」の味を良く再現できていました。この、濃いしょうゆ味の中で感じる背脂の風味が「らーめんてつや」の大きな魅力なので、ここをしっかり再現できていたのは素晴らしかったです。
また、1990年代の背脂チャッチャ系の味を知る人にとっては、今回のスープを味わうことでちょっとノスタルジックな気分に浸れるのではないかと思います。最近の背脂チャッチャ系ラーメンは、チャッチャ系というよりもドッカドッカ系という感じで、以前とはだいぶ雰囲気が違いますからね。
お店のスープと比較して、背脂の粒がだいぶ小さいため食感として背脂を感じにくいことや、ベースの豚骨が弱いことなど、再現できていない点もいくらか見受けられますが、総じてスープの再現性はとても高かったです。