「ドヤ街」から観光客が集まる街へ 西成の景色を変えた、簡易宿泊所の「奮闘」
2000円前後で泊まれる簡易宿泊所
50年の歴史をもつジュノングループは、多い時には9つのドヤを西成で展開してきました。
昔のジュノングループの「ドヤ」は、料金は1300円~1800円ほどの日雇い労働者の日払いアパートが中心で、宿泊者のほぼ全員が長期滞在の客だったそうです。
10年前のリーマンショック以降、建築関係の仕事が減少し、日雇い労働者が激減したことや、外国人観光客や出張などで利用する日本人客へのニーズが増えたことから、5年前から一般客やビジネスのお客様にも対応する設備の改修を始め、最低限の宿泊機能を備えた「簡易宿泊所」として、今の業務形態となりました。
現在、ジュノングループは、新今宮駅前で4つの施設を展開しています。

どの施設も新今宮駅から歩いて1分ほどの好立地にあって、USJや大阪城などの主要観光地への電車でのアクセスも優れています。実は、筆者がまだ西成に住む前、大阪に来た際に宿泊施設としてよくお世話になっていたのも、このジュノングループのホテルでした。
ジュノングループのホテルのシングルルームでの1泊の料金は、だいたい平均すると2000円ほどです(繁忙期などは除く)。
大阪ミナミのネットカフェや、付近のホステルと価格帯はそこまで変わりませんが、接客のサービスや部屋の清潔感は、一般的なホテルに引けを取ることはありません。

トイレやお風呂などが共同な点や、部屋の広さは3畳ほどで通常のホテルよりはシンプルな作りになっているなど、この価格帯なりの価値が提供されています。
レディースプランを用意している施設も。「西成×女性→怖い」といったイメージを抱きがちですが、そこには工夫があります。女性限定のフロアを用意したり、内装も可愛いハート柄にしたりするなど趣向を凝らしています。