神奈川県庁に「東京都下水局」のマンホールがあった 設置の経緯、県も「わからない」
謎が謎を呼ぶマンホール
筆者がこの情報を知ったのは、2019年2月中旬のことだ。マンホール蓋観察の火付け役で、「路上の芸術 : マンホールの考察、およびその蓋の鑑賞」の著者としても知られる垣下嘉徳さんから情報提供をいただいた。
「神奈川県庁に東京都のマンホールがあるんですよ」
聞いた瞬間から興味がわいた筆者は垣下さんから参考画像を頂戴して2019年2月23日、現地へと向かった。
1928年に建てられた通称「キングの塔」の重厚感に圧倒される。土曜日だったが、入り口の警備員さんに事情を説明し、敷地内に入った。
いただいた情報によると敷地に入って左のすぐの場所とのこと。目を凝らして地面を探すと――。
垣下さんからいただいた参考写真とも合致。神奈川県庁にある東京都下水道局のマンホールをついに発見した。
門が解放されているときの写真で位置を確認すると駐車場へと繋がる入り口からすぐの場所だ。神奈川県庁の職員は、毎日のように東京都のマンホールを踏みつけて歩いているのかもしれない。
しかし、なぜこんな場所に東京都下水道局のマンホールがあるのか。Jタウンネット編集部は2019年2月27日、神奈川県の総務局財産経営部庁舎管理課の担当者に取材した。
そもそもこのマンホールの存在を知っていたのかを聞くと、
「知らなかったです」
とコメント。詳しいことは調べていなかったとのことで、実物を含めて調査をお願い。3月5日に別の担当者から回答があった。
「経緯はわからないです」
職歴の長い県庁職員などに聞き込みを行ったものの、何故この場所にあるのかわからなかったそうだ。また、マンホールを付け替える予定はあるか聞いたが、「現在、検討中」とのことだった。
そこにある理由がわからない――だからこそロマンを感じる不思議なマンホールだった。