天使、アリエル、ラプンツェル... 美しすぎる「お刺身アート」の世界
お刺身の盛り付け方でキャラクターなどを描く「お刺身アート」が、にわかに注目を集めている。
キジハタやヒゲソリダイといったお刺身で盛り付けられた天使。ネット上では「凄すぎる」と話題になった。見れば見るほど、あまりの完成度に食べるのが惜しいくらいだ。
Jタウンネット編集部は制作者に話を聞いてみた。
「飲食店で従事したことは一度もありません」
お刺身アートを制作しているのは愛媛県松山市在住のmikyouさん。自身のインスタグラムアカウント(mikyoui00)で天使のほかにもディズニーキャラクターをモチーフにした作品など様々な作品を公開している。
どうしてお刺身アートの写真を投稿し始めたのか聞いたところ、
「元々インスタグラムは姿造りをポストしたくて始めたんです」
と意外な返答。確かにmikyouさんの投稿をさかのぼってみると、2017年7月の最初の投稿からしばらくは姿造りの写真を中心として紹介していたようだ。
「ただ、日を追うごとに姿造りは海外の方や女性から(気持ち悪い)と思われていると感じるようになったんです。日本で姿造りはお店でも普通に出てくるのですが、よくよく考えてみれば切り身の横に亡き骸なんですよね...」
確かに姿造りというと、お皿に魚の頭が乗っているどこかグロテスクな見た目を想像してしまう。次第に姿造りに違和感を覚えるようになったところ、
「なにか他に面白い盛り付け方はないのかと思って、鶴造りを変化させていってアートになっていった感じです」
とお刺身アートになるまでの変遷を語った。いったいどこで技術を磨いたのか聞くと、
「魚をさばくことは得意だったのですが、YouTubeで動画を見て魚をもっと綺麗にさばけるようになりました。飲食店で従事したことは一度もありません」
とのこと。独学で身につけた技術とは驚きだ。
どうしても高価な印象が強いお刺身。生ものだけに時間がかかると鮮度の面も心配だ。1作品にかかる費用や時間に関しては、
「盛り付けるモチーフによって時間も経費も差があり、かなり曖昧な時間なのですが、最新の鶴造りなら10分程度。費用は300円。ラプンツェルのお皿は30分くらい。費用は1500円程度。どちらも切って並べているだけです」
と思ったよりリーズナブルにできるようだ。これからお刺身アートを志す人になにかアドバイスがないか聞くと、下記の3つのポイントを教えてくれた。
・鮮度が命なので並べていて悩んだら盛り付け途中でもお皿にラップして冷蔵庫に入れる
・とにかく切れる包丁と100均でもいいので木のまな板を使う
・盛り付ける前にモチーフのデザインと切り口の形と色を想像して考えておく
今度お刺身を食べるときに、ぜひお刺身アートを試してみては。