韓国「ソックリ菓子」ガチ食レポ ナゾの異臭が編集部を襲った「エリーゼ」
日本でお馴染みのスナック菓子とよく似た「ソックリ菓子」を、東京・新大久保で大量に入手したJタウンネット。韓国ではメジャーだというソックリ菓子は、「日本版」とどう違うのだろうか。
編集部員がマジメに食べ比べをする企画の第五弾。今回はこちらをレビューする。
1979年発売のブルボン「エリーゼ」と91年発売のクラウン製菓「チョコハイム」。前回の「おっとっと」編同様に味をそろえることができなかったものの、パッケージを見る限り見た目の類似性は高い。しかし、ふたを開けてみると思わぬ評価が編集部から寄せられた。
絶妙な差の付け方
エリーゼと言えば軽い歯ざわりのウエハースでホワイトクリームやチョコクリームが包み込まれたお菓子。高級感あるパッケージの雰囲気はお菓子でも裏切られず、上品な口当たりに滑らかで濃厚な味わいで午後のティータイムや休息にピッタリだ。
エリーゼはが発売された1979年はサザンオールスターズ「いとしのエリー」や水谷豊さん「カリフォルニア・コネクション」がヒットを飛ばした年。来年で発売から40年を迎える。
対する類似性が高い後発品は韓国クラウン製菓の「チョコハイム」。こちらは1991年の発売で、この年は湾岸戦争が勃発し、CHAGE&ASKA「SAY YES」や浜田省吾さん「悲しみは雪のように」などドラマ主題歌が覇権を握っており、79年から大分時間が進んだ。
袋と箱でそれぞれパッケージは異なるが、クラウン製菓によるとヨーロッパの「ロマンチック街道」を意識したパッケージデザインを採用しており、どことなく目指している路線も似ている。
色合いが異なるだけで雰囲気は似たり寄ったり。母国語を大々的に真ん中に配置するところも同じとは恐れ入る。それぞれ1袋2本入りのところも同じだ。
しかし、中を開けてみるとさらなる違いの少なさに驚かされた。
2本が分かれているエリーゼに対して、チョコハイムは2本がくっついている。手で簡単にセパレートできる仕様で、真ん中にうっすらと切れ込みが入っている。
それにしても見た目はソックリ。チョコハイムを2つに割っていると、危うくどっちか分からなくなってしまうほどだ。
しかし、過去に紹介した類似品同様に見分けは比較的簡単だ。チョコハイムの方は少しウエハースが黒っぽい上に全体的に粗さが目立つ。対してエリーゼはどの袋を開けても美しい白さと形状が保たれている。
チョコハイムはロシアンルーレット状態で、袋によっては切れ込みが入ってないものもある。全然割れなくて困った。品質のムラは擁護しようがない。
とはいえ、似ているのは間違いない。そこでJタウンネット編集部のメンバーに見た目について「どちらがエリーゼか」とのクイズを行った。筆者は半々だろうと思っていたが、結果は全員正解。一体何が決めかを聞くと、ここまで4回行ってきた韓国ソックリ菓子企画。それを通じて見た目が綺麗な方が日本のものと分かるようになっているそうだ。
あまりにも企画に巻き込みすぎたせいで全く役に立たない選球眼を付けさせてしまった。
気を取り直して味見をしよう。安定したエリーゼの甘さにうっとりして、気を落ち着かせる。チョコパイ情のような味だったらどうしようか。大丈夫、筆者はJタウンネットの核弾頭、ここで口にしなければ男が廃る。
心配したのも束の間。普通のチョコレートが少し塩気のするウエハースに包まれているだけで見た目のボロさに反してごく普通の駄菓子といったところ。
被害が出ないことを確認して、恒例Jタウンネット編集部での食べ比べだ。
まずは新婚がうらやましくてひそかに筆者が恨む若手選手会長のN記者。お菓子を渡してから程なくして予想外の答えが返ってきた。
「焼きそばみたいなしょっぱい系の臭いがする」
何だって。そんな臭い全く気付かなかった。隣にいた京都大学出身のホープO記者も、
「ああ、おっとっと(の類似品ゴレバップ)の時もこんな感じの臭いでしたよね」
と答えた。我らがS編集長に渡す前に臭いを嗅ぐと―― 本当だ。よく嗅いでみるともんじゃ焼きのようだ。何でこんな臭いがチョコハイムからするのか全く分からない。
では、臭いが不評と分かったところで、大学時代の髪型はアフロにしてブラックミュージックに接近するなど国際派の一面も持つS編集長にお願いした。
「作りが日本(エリーゼ)のが丁寧。だね。味も陳腐。エリーゼは高級感あるけど、チョコハイムは駄菓子みたい」
何と味にも落第点が押されしまった。Jタウンネット編集部の中で最も辛辣だったのが編集部の山本昌の異名をとるM記者、語気を強めてこう言い切ったのだった。
「雑だよね。何なのこれ」
続いては恒例J-CASTニュース編集部の味見。今回は2トップにお願いした。
まずはこの企画ではすっかりお馴染み、新進気鋭のT編集長。エリーゼを懐かしい味と楽しんで、チョコハイムを口に入れた。
「独特のえぐみがあるね。臭いも炒めたキャベツのような」
チョコパイ情と異なり、表情も崩れぬまま淡々と試食を終えた。
そしてファンの皆様、お待たせしました。久しぶりのJタウンネット登場。K前編集長です。現在はJ-CASTニュースの副編集長を務める彼にも聞きました。
「チョコがぎっしり入っていてチョコハイムの方がしっかりしている」
また、臭いもわからないとして高評価だった。
このように賛否は分かれつつも、全体としてはエリーゼが上をいく結果だった。
次回はいよいよ最終回。あの有名「ソックリ菓子」が登場する。
(Jタウンネット編集部 大山雄也)