埼玉名物「政財界人チャリティ歌謡祭」の舞台裏 生粋の埼玉県人が、念願の収録に参加してきた
プロのライブではありえない光景が
番組の収録が行われたのは放送の約1か月前の2018年11月24日、場所はデヴィッド・ボウイさんや山下達郎さん、桑田佳祐さんら著名なミュージシャンがコンサートを行った大宮ソニックシティ大ホールだ。
この日、15時からの開場であったが14時30分には観覧客でホール前はごった返していた。高齢者やスーツ姿のサラリーマンらしき男性が中心で中には法被を着ている者もいた。この観覧客の多くは出場者の「応援」のために駆けつけている。
サイリウムの使用やうちわでアイドル歌手顔負けの声援を送る姿はチャリティ歌謡祭には欠かせない存在だ。
出場者は必ずしも県の中心であるさいたま市の企業や自治体とは限らない。そのため県北からの応援のためにマイクロバスを貸し切ってこのホールに駆けつける姿も見られる。それもそのはず、出場者が関わる企業や自治体にとってはPRの絶好のチャンスだ。多くの人員を擁して応援を行えば存在感が増すことに繋がる。
今か今かと開場を待ちわびる人は屋内のフロアを飛び出して外にまで到達。入り口に作られる列もまるでグループサウンズ全盛期の人気ぶりを伝えるニュース映像のよう。思わず筆者も呆気に取られてしまった。
会場に入ると当日のプログラムが手渡され、埼玉文化振興基金への協力を呼びかける声が響き渡る。
ホワイエでは応援用の旗や看板の準備を行う団体も少なくない。
席に着くと、各団体がすぐ看板等を出せるように段取りが行われていた。そして15時30分、埼玉の年初めを飾る恒例行事が幕開けした。