発生50年「三億円事件」現場のいま あの日この場所で、犯人は何を考えたか
2018.12.29 11:00
白バイを用意した「第3現場」
三億円事件にまつわる現場はここだけではなく、捜査で明らかになっているだけでも3つの痕跡を残した。まず白バイ警官に変装した犯人が犯行直前まで待機していたと推定される通称「第3現場」がある。
現場となった学園通りの国分寺街道寄り、北に延びる路地を入った空き地に、事件発生直前までシートがかけられたバイクと、緑色の不審なカローラが出入りする様子が目撃されていた。カローラは現金輸送車の監視用で、ニセ白バイはここから発進したとみられている。
当時は1200坪にも及ぶ空き地だったそうだが、現在は所狭しと人家が立ち並び、道路も舗装されて様変わりしていた。車が停められる小規模な駐車場もあったものの、当時白バイが停められていた場所とは無関係だろう。
しかし、今回改めて事件の経緯を調べて気になったのは、犯人がこの現場に緑色のカローラをそのまま放置したことだ。単独犯行説を補強する根拠にはなるが、素早くカローラを降りてニセ白バイに乗り換え、現金輸送車に追いつくという綱渡りのような行動が用意周到な犯人像には不釣り合いで、真相は闇の中である。