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かつや「トンカツ入り豚汁」食べてみた 最初はガチでウマい!でも後半は...

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2018.12.13 20:00
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なくした代わりに手に入るもの

没になったメニューを出演陣が試食、復活させるコーナー「没メニューレストラン」。11日の放送ではかつやでは年間約100種類の没メニューがあると紹介。その中で「だしで食べるとんかつ」として提案されたのが「生姜焼きとん汁定食」だ。

豚肉とキャベツを生姜焼きのタレで炒めたものと、揚げたてサクサクのトンカツをとん汁に入れる。出演者から「何だこれ!?」など戸惑う声が上がった。しかし、試食すると中山秀征さんは「意外と嫌いじゃない」、橋本マナミさんも「美味しい」と好評で、結局4品ある中から選ばれて12日からの販売にこぎつけた。

汁に浸かってしまったトンカツが美味しいのか――。確かにかつ丼やカツカレーはさっくりとした軽快な食感は潰れている。そこを突いたメニューともいえる。いずれにしても食べに行かなければわからないことだらけ。

そこで販売開始翌日の13日、かつや代々木駅前店を訪れた。番組放送からわずか2日とあって、店の前には大きな垂れ幕が出されていた。

生姜焼きとん汁定食の垂れ幕
生姜焼きとん汁定食の垂れ幕

少し期待していた筆者だったが、写真からうかがえる情報量の多さに少しへこたれる。中に入り早速注文した。「ダレトク」と厨房に声をかける東南アジア系の綺麗なお姉さん。待つこと数分。生姜の香りを少しだけ漂わせてやってきた。

生姜焼きとん汁定食
生姜焼きとん汁定食

写真に比べると「ごった煮」といった印象は大分薄れる。トンカツは番組同様に刺された状態で提供され、すべてが汁に浸かっているわけではない。サクサク食感も味わえそうで、若干期待が復活した。

とはいえ、本来ならトンカツ、生姜焼き、とん汁で分けられるはずのものが何かの悪戯で一緒くたになっている。油断は禁物だ。

まずは炒めたキャベツと豚肉からいただく。生姜焼きのタレで炒めているはずだが、とん汁の汁に洗い落とされたのだろう。タレの味は全くせず、とん汁の塩気でさっぱりと食べられる。炒めているためか、水分を吸い過ぎて脆い食感にならず、程よい硬さをキープしている。

次はいよいよ本命のトンカツだ。せっかくなので刺さっていたものを汁の中になぎ倒した。ここまで来たらどうにでもなれ――。

汁につけたトンカツ
汁につけたトンカツ

汁の色も段々と黒くなり、一体何を食べているのか訳が分からなくなってくる。たっぷり汁を吸って、衣の表面が脱落。剥がれた衣が生姜焼きと絡まった。ついにやってしまったと思いながら、意を決しトンカツに箸をつけた。

汁に浸したトンカツ
汁に浸したトンカツ

見た目の凹凸は見る影もなく、鶏の唐揚げのように平坦でツルツルとしてしまった。ところが、口に入れてみると、たっぷりと吸われた味噌の風味と肉のうまみが合致しあふれだし、快感のマジックに堕とされる。

これたけ不釣り合いなものが一緒になり、時間を経たことで新しさを感じる。軽快な食感はなくなったが、衣が汁を吸ったおかげでバランスの取れた塩味が実現された。

名古屋名物の味噌カツでは濃すぎて途中で飽きてしまう人も、さらりとした控えめの塩気で味噌の風味がトンカツと混ざり合うため軽く食べられるはずだ。

一方で欠点もある。とん汁は全ての具がなくなってから飲み始めると流れてしまったタレやトンカツの油が一気に襲い掛かる。しょっぱい上にヘビーなとん汁という最悪の汁ものになってしまうため、飲み切れないかもしれない。

しかし、あくまでメインがトンカツと具であると考えるならば、欠点も目をつぶれるだろう。

汁ものにトンカツを入れるという大冒険はまだ始まったばかり。十分に勝利する可能性を秘めている航路だと言える。

(Jタウンネット編集部 大山雄也)

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