ココからあなたの
都道府県を選択!
全国
猛者
自販機
家族
グルメ
あの時はありがとう
旅先いい話

アニソンで読み解く「平成」時代:序章・時代の象徴としての「深夜アニメ」

安藤 ろぽふ

安藤 ろぽふ

2018.10.20 20:00
0

私的深夜アニメ考

ここで、私の個人的な感覚を書いてみよう。平成10年代前半まで、深夜アニメを見ることに抵抗があったと思う。当時を振り返って、私の考える理由を以下に整理してみよう。

(1)まだオタク扱いされるのがとても恥ずかしいことだった

「オタク=アニメをよく見る」という方程式はまだ残っているとは思うが、とにかくゼロ年代前半あたりまではジーンズにシャツを入れてリュックサックを背負ってそこからポスターがはみ出しているといったオタク像が一般的だった(ちなみに、当時は「秋葉系」などと呼ばれていた)。その烙印を押されてしまうと、クラスメイトから敬遠されるのではないかという危機感があった。

(2)まだ「萌え系」の絵柄は深夜アニメくらいしかなく絶妙な「アダルトさ」を感じさせた

今や「萌え系」すら死語と化したが、当時はそんなタッチの絵は深夜アニメでしかお目にかかれなかったように思う。今みたいにボーカロイドがコンビニの広告に使用されていたり、Vtuberがワイドショーに登場したりなんて想像すらできなかった。そしてそれは、多感な時期の中高生にそこはかとない「アダルトさ」を感じさせる絵柄だった。

(3)そもそもオタク自体少し怖かった

2ちゃんねる(現5ちゃんねる)がまだアングラで怖いオタクの溜まり場というイメージだった。中学生の頃、ガラケーからなんとなくアクセスし、独特の用語が飛び交っているスレッドに書き込みをしてみたのもつかの間「夏休みだな」と返信された時は恐怖を覚えたものだ。

なにはともあれ、深夜アニメは視聴するだけでも少しスリリングであった。視聴に対して原因の分からぬ背徳感を覚えるというのは既に書いたが、たとえば自分の部屋でアニメを見ているときに親がたまたま入ってきたらどうしよう......なんてことにさえ本気で恐怖を抱いていた。

しかしながら―深夜アニメ(及びそれを愛好するオタク)は、平成16(2004)年に2ちゃんねるで生まれ、映画やテレビドラマになった「電車男」の流行により存在が認知され始め、その後出現したニコニコ動画などの動画投稿サイトの影響で完全に市民権を得た。

そして、平成20年代突入するとAKB48が本格的にブレイクし、秋葉原もオタクの街から国際的な観光地へと変貌するのである。

平成のアニメを彩ったアニソンたち
続きを読む
PAGETOP