アニソンで読み解く「平成」時代:序章・時代の象徴としての「深夜アニメ」
2018.10.20 20:00
「平成最後の夏」が終わった年
平成最後の夏が終わった。来年元号が変わるということで、今年(平成30=2018年)は「平成」に対するノスタルジーがちょっとした流行になっているかのように感じる。そもそも、「平成最後の夏」というフレーズ自体がその象徴だと思われる。
筆者は平成3(1991)年の生まれなので、平成しか生きていない。逆に言えば、平成のほとんどをこの目で見てきた自負がある。それゆえ、やはり思い入れは深く、ノスタルジーを感じてしまう。
ノスタルジーに関しては主に社会学や心理学の立場から、平成時代に関しても(その中核を占めるいわゆる「ゼロ年代」に関する評論まで含めると)やはり様々な分野から膨大な研究がなされているため、ここではあえてそのようなアプローチからこの時代を概観することはせず、あくまで個人的な体験に基づき、平成を振り返ってみようと思う。