土用丑の日の「うなぎ危機」、専門店はどう見たか? 福岡の老舗「田舎庵」に聞く
そのシラスウナギは、いつ獲れたの?
水産庁の資料「ウナギをめぐる状況と対策について(平成30年8月)」によると、シラスウナギ(ウナギの稚魚のこと)池入数量は、今年の漁期(2017年11月~18年4月)が14.2トンと、前年漁期(19.6トン)の7割ほどに減少した。
一方で、1キロあたりの取引価格は109万円から299万円へと、1年で3倍近くに高騰している。1月ごろには「1キロ400万円」との報道もあった。ただ同資料によると、ウナギの採捕が上向いたのは2月以降とのことで、漁期通じての価格は約300万円となっている。
弘さんはそれらの背景に、「絶滅危惧種ビジネス」があるのではないかと指摘する。
「これだけ獲れないんだからと、高くするための工作だったんですよ。12月、1月に『シラスが獲れない』と言いますよね。そのシラスが400万円しましたと。そしたら価格に転嫁するのは当たり前という論理なんですが、ちょっと待てよ、と」(弘さん)
冬から春にかけて獲れたシラスは、大きくなるまで時間がかかり、やっと8月ごろに早いものが出荷されるという。
「今のシラスは早くても秋にしか出ないよね。じゃあ、そのシラスはいつ獲れたんですかと。去年は400万円もしなかったじゃないかと。高いというのは嘘も方便なんですよ」(弘さん)
