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「若いお客様が多くなってきた」 『犬神家の一族』ロケ地の旅館主人が話してくれた

松葉 純一

松葉 純一

2018.09.26 17:00
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井出野屋旅館室内(井出野屋旅館公式ホームページより)
井出野屋旅館室内(井出野屋旅館公式ホームページより)

『犬神家の一族』は1976年に公開された日本映画だ。原作は横溝正史の長編推理小説、制作は角川春樹事務所、配給は東宝。当時ブームとなった角川映画の代表作の一つで、市川崑監督・石坂浩二主演による金田一耕助シリーズの第1作でもある。

「水面から突き出た足」の衝撃的なシーンは、鮮烈な印象だった。また地方の旧家の屋敷に、不気味なマスク姿の佐清(すけきよ)が登場するシーンも、何度見てもゾーッとする。その後、さまざまなパロディが現れたが、それだけ強烈な映像だったと言える。

この『犬神家の一族』のロケ場所として使用された宿が、長野県に存在すると、いまツイッターで話題になっている。

「えっ、残ってるんだ...!」「まだ綺麗なんですね」

井出野屋旅館玄関(井出野屋旅館公式ホームページより)
井出野屋旅館玄関(井出野屋旅館公式ホームページより)

ツイッターで話題の場所というのは、佐久市の望月宿にある井出野屋旅館だ。映画『犬神家の一族』で那須ホテルとして登場した。映画そのままの雰囲気が楽しめると、話題になっているのだ。

Jタウンネット編集部は2018年9月26日、井出野屋旅館に電話して話を聞いてみた。答えてくれたのは、ご主人の井出忠昭さんだ。

「今年も映画ファンがよく訪ねて来られます。年齢に関係なく、若い方から年配の方まで......。最近、テレビで再放送があったようで、若い人も随分多くなってきました」と井出さん。お客さんはほとんどが映画ファンだという。

井出野屋旅館廊下(井出野屋旅館公式ホームページより)
井出野屋旅館廊下(井出野屋旅館公式ホームページより)

「お客様に一番人気があるのは、玄関の辺りですね。ただ、なにしろ古い建物ですので、あちこちが痛んできておりますので、維持や修理が大変です」と答えてくれた。

井出野屋旅館の公式サイトには、望月宿は、「江戸時代には、江戸と京都を結ぶ中仙道の宿場と盛え、戦争前までは花柳界の町で、近江近在の人が入り、大変に繁盛しました。 当家も町の中に数件の支店を持ち、芸者衆も総勢五十人ほど居たと言われておりましたが、今は当家だけ、町全体が昔の面影は有りません」と記されている。

ところで、ツイッターでの反応はというと......。

映画の世界を彷彿させる素晴らしい写真と共に、「石坂浩二が演じる金田一が駆け下りた階段もそのままです」というコメントが添えられている。これには9000を超える「いいね」が付けられている。

「えっ、残ってるんだ...!」「ひえ?まだ綺麗なんですね」「望月てどこ!?て思ったら長野 遠い!けどいきたい」などといった感想が届いている。

「わー、これ実際にあったものなのね」「うぉー。那須ホテル、そのままですね」「い、いきてえ......ここで犬神家見てえよ......」といった感想もあった。やはり若い層の反応が敏感なようだ。

名作は時代を超える、ということか。名作を生んだ現場に立ってみたいという気持ちは、年齢や世代を問わないということだろう。

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