こんなにウマいのに、知られてない！　宮城出身記者が語る「ひょうたん揚げ」の魅力

「ぜひとも仙台に食べに来てもらいたい」

宮城県を代表するかまぼこ会社「阿部蒲鉾店」の商品紹介によると、ひょうたん揚げとは、「蒸しかまぼこに、ほんのり甘めのころもをつけて揚げた、アメリカンドッグ風のスナック」と説明されている。

かまぼこといえば、一口噛んだだけで「かまぼこの味だ」と思うが、ひょうたん揚げの場合は「あれ、かまぼこ入ってる？」とつい思ってしまうほど、スナック感覚で食べられる、ほんのり甘い食べ物だ。

同社のひょうたん揚げは、仙台駅構内にある「ひょうたん揚げ専門店」および仙台駅付近にある商店街クリスロード内の本店で主に1本200円（税込）で販売されている。

場所や時期によっては通常のひょうたん揚げとは別の種類が販売される時がある。プロ野球・東北楽天ゴールデンイーグルスの本拠地「楽天生命パーク宮城」でホーム試合がある時のみ、味は変わらないが「黒いひょうたん」、不定期ではあるが本店では、ごまなどをトッピングしたひょうたん揚げも売るときがある（いずれも1本250円）。

1984年に誕生し、もともとは毎年5月の第3日曜日前後の「仙台青葉祭り」の日限定で販売されていたものだという。誕生した当時について、「お祭りで気軽に食べられるようなものとして開発しました」。お祭りのときだけでなく、店頭で発売されるようになったのは、ほんの10数年前だという。

毎年8月6日～8日に行われ、仙台市で最大規模を誇る祭り「仙台七夕祭り」を中心に、1日に多いと4000本売れるほどの人気ぶりだ。

ひょうたん揚げは、県外では販売されていない。また、テイクアウトを想定して作られているため、通販や発送注文は受け付けてもいない。その理由について、「仙台名物と言うことで、ぜひとも仙台に来て食べてもらいたいからです」と話す。

県外へのPRについては、「雑誌に取材してもらったり、食べたお客さんがSNSに投稿してくれているので、会社として行っていることはありません」と話す。

記者は県外の人から「宮城のオススメの食べ物ってかまぼこ？」と聞かれるたび、「かまぼこもいいけど、ひょうたん揚げの方が好きかな」と言う。だが、皆口をそろえて「なにそれ？」と聞いてくる。せっかく仙台へ来たのに、ひょうたん揚げを食べずに帰るなんて、もったいない！　ぜひともひょうたん揚げを食べて観光に訪れてほしい。