東京五輪まであと2年... 都内の路上生活者、現状と支援策は?
2018.05.10 17:00
自立した生活を送れるまで面倒を見る
東京都などが支援策として行っているのが、2000年に開設された自立支援センターだ。
労働意欲のある路上生活者が自立した生活を送れるようになるまで、最大6か月間入居できる施設。入居している間、食事や日用品が無料で提供してもらえ、仕事を探したり生活の相談にも乗ってもらえる。働きながらお金を貯め、再び社会で自立して暮らしていけるようにすることを目標としている。
「○○に路上生活者がいた」という連絡を受け、施設職員が現地に行く。路上生活者に自立支援センターのことを教えるなどするという。
自立支援での苦労する点について聞くと、「規則違反や施設退去後の行動が最近見受けられます」と職員は話した。
入居期間中は、アルコールを摂取してはいけないなどの規則が設けられているが、それを破って飲んでしまい、自ら退去を懇願する人がいる。
また、施設退去後、就労した職場で初任給をもらい、そのまま会社には来なくなる人もいるのだという。
入居者は男性が圧倒的に多く、年齢層は若い人から70代までと幅広い。
施設はプレハブ建て、軽量鉄骨で出来ている。各施設は定員361人で、毎月8、9割程度は埋まっている状態だという。カーテンで仕切られたベッドが置かれた部屋で最低限のプライベートを確保した集団生活を送る。
台東区と新宿区から始まり、現在は23区内に5か所ある。都と23区が出資し共同運営を行い、現場で路上生活者の支援にあたるのは社会福祉法人が担っている。