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洗剤容器を再利用して、江ノ電車両を再現!? 「リサイクリエーション」ってなんだ

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2018.04.27 20:00
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ブロックに鼻を寄せると、確かに石鹸の香りが

リサイクリエーションされたブロックで作られた江ノ電の車両(2018年4月27日、Jタウンネット撮影。以下同)
リサイクリエーションされたブロックで作られた江ノ電の車両(2018年4月27日、Jタウンネット撮影。以下同)

イベントは鎌倉市の松尾崇市長のあいさつに始まった。今回の制作に先立っては洗剤の容器を集めなくてはならず、集まるのかどうかが心配だったと語る。しかしながら、予想を上回るスピードで完成に至ったといい、「皆様の熱意とご努力に敬意を表したい」と感謝の意を述べた。

鎌倉市環境部の担当者によれば、市では広報誌やゴミをめぐる施策の説明会を行い、ゴミに関する意識が高いと指摘。実際、2016年度の環境省による「一般廃棄物の排出及び処理状況等について」では、鎌倉市のリサイクル率は47.5%で、「人口10万人以上50万人未満の市区町村」で全国3位となっており、その実態がうかがえる(全国平均は20.3%)。

今回のリサイクリエーションにあたっては、17年10月から18年4月にかけて、市では詰め替え用の洗剤容器を収集。計3万8745袋集まり、そこから製造した再生樹脂ブロック数は3875個となった。そのブロックを用い、実寸大の江ノ電車両を制作。5月31日まで、市役所前の広場で無料で展示される。

「オチビサン」。ブロックなのでドット絵のようでかわいらしい
「オチビサン」。ブロックなのでドット絵のようでかわいらしい

イベントには松尾市長のほか、NPO法人カマコンと面白法人カヤック(神奈川県鎌倉市)の代表である柳澤大輔氏、江ノ島電鉄(神奈川県藤沢市)観光企画部長の中沢俊之氏、「リサイクリエーション」に取り組むテラサイクルジャパン(横浜市)のアジア太平洋リージョナルマネージャーのエリック・カワハタ氏、花王の専務執行役員を務める長谷部佳宏氏のほか、神奈川県のガールスカウトの少女たちが登壇した。

ガールスカウトの女の子たちも頑張ってインタビューに答えてくれていた
ガールスカウトの女の子たちも頑張ってインタビューに答えてくれていた

カワハタ氏によれば、使用済み包装容器は、容器が異なった素材で何層も重なっていることから、再利用には高い技術が必要で、実現に当たっては多くの企業から協力してもらったと述べた。長谷部氏は、花王として使用済み容器が廃棄物となってしまうことが問題となっていたといい、「リサイクリエーション」の取り組みはその課題の解決策として有用であったと話した。また将来は、「リサイクリエーションのための回収ボックスが全国にできればと思っています」と展望を語る。なお、市役所前には使用済み容器の回収ポストが用意されている。

鎌倉市役所前にて
鎌倉市役所前にて

こうした「リサイクリエーション」の取り組みは、鎌倉市のほか、宮城県の石巻市や女川市などでも同様に行われており、着実に広まりを見せている。

石鹸容器を「リサイクリエーション」していることもあり、実際に鼻を寄せると確かに石鹸のにおいがする。「リサイクリエーション」されたものに近づいてみて、どんな洗剤だったかを考えてみるのも、楽しみ方の一つかもしれない。

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