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なぜモスバーガーは台湾で受け入れられたのか 上陸から27年、櫻田会長が現地スタッフに語る

城戸 譲

城戸 譲

2018.04.09 17:00
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現地では「ライスバーガー」が人気

櫻田会長は、創業者・櫻田慧氏(「慧」は旧字体)のおいだ。1号店である成増店(東京都板橋区、1972年開店)の立ち上げから参画し、後に海外進出を任された。台湾1号店の新生南路店(台北市、現在は「新生店」)の現地採用キャストや、開店当時の写真を紹介しながら、台湾出店の経緯や日本での台湾モスに関する報道を説明していた。

日本と台湾では、人気の傾向も異なる。2017年時点で、国内ではモスバーガーとテリヤキバーガーが人気だが、こちらではライスバーガーの「海鮮かきあげ」と「焼肉」がツートップ。日本と違って、米のバンズにキヌアが混ぜ込まれているのが特徴で、味付けは現地の舌にあわせて若干薄くなっている。

台湾で期間限定販売されている「ライスバーガー『明太子サーモン』」。茶褐色の粒がキヌア。
台湾で期間限定販売されている「ライスバーガー『明太子サーモン』」。茶褐色の粒がキヌア。

いまでこそ順風満帆だが、台湾赴任直後にはいろいろと苦労もあった。1年ほど経ったある日、現地スタッフと会食した際、厳しい表情でこんなことを言われたという。

「櫻田さんはこちらに来ているけれど、中国語を覚えようとしないし、台湾を勉強しない。(スタッフと)交流せずに、すぐアパートに帰っちゃう」

これまで通訳を介したやり取りが当たり前だった会長は、この言葉にハッと気づかされた。当時のキャストにはTECOグループからの出向者もいたが、大学を出てすぐ、まだ無名だった安心食品に飛び込んだ人もいる。「この小さな会社で、どうやって家族のように親しくなっていくか」。それからは自分なりに、少しずつ言葉を覚え、コミュニケーションができるようにしたといい、それが台湾でのスタートだったと振り返る。

質問者には「金色の名刺」が
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