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「これを見てわかってもらいたい」原爆資料館に被爆遺品寄贈、きっかけは遺族の高齢化

ご当地テレビ視聴隊

ご当地テレビ視聴隊

2018.02.19 07:11
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13歳少女の破れた制服や弁当箱など

原爆投下により、当時13歳で亡くなった少女の遺品が70年以上経って遺族から原爆資料館に寄贈されました。

きっかけは遺族の高齢化です。被爆遺品を寄贈したのは、細川浩史さん、90歳。「本日からこちらで保管していただけるということで、ぜひよろしくお願いします」と原爆資料館の志賀賢治館長に挨拶しました。

志賀館長は、「しっかり保管させていただきます」と答えました。寄贈されたのは、破れた制服や、変形した弁当箱。73年前、被爆して亡くなった細川さんの妹、森脇瑤子さんの遺品です。

細川さんは遺品を前に、「上着を脱いで、ちょっと簡単に畳んでそばに置いてたんでしょうね」と振り返りました。

森脇瑤子さんは、当時県立広島第一高等女学校の1年生で、中区土橋町付近で学徒動員の作業中に被爆し、その日の夜に息を引き取りました。遺品は、細川さんや女学校の先生などが集めたものです。

「あのころはきれがなかったですからね、母親の着物をほどいて制服にしたんです」と細川さんは言います。

瑤子さんが書いていた日記は、兄の細川さんが書籍化して出版。日本やオーストラリアで書籍化されましたが、遺品は当時のまま細川さんが自宅で大切に保管していました。

しかし細川さんも今年で90歳。葛藤の末、寄贈することを決めたそうです。

「広島ではこんな亡くなり方をした人が何万といるわけですね。いかにひどい、理不尽な出来事だったのかということを、これを見てわかってもらいたいという気持ちですね」と細川さんは言われていました。

原爆資料館では、寄贈された遺品を来年までに再オープンする本館での展示も含め、検討しているということです。

被爆者だけでなく遺族の方の高齢化も進むなか、今後残していくべきもののために何ができるかも考えていきたいですね。(ライター・石田こよみ)

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