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「お坊さんが本気で考えた『きもだめし』」 怖いだけじゃない、深い思いがありがたい

野口 博之

野口 博之

2017.07.31 20:12
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「申し訳なかった」と鬼に懺悔した人も

佐藤淳心さんは、きもだめしを企画した意図について、こう説明する。

「仏壇でお参りする姿も、核家族化で見られなくなりました。また、朝昼晩のご飯では、今の子供たちは合掌しなくなっています。お寺にも普段、若い人たちは行かないですよね。そこで、お寺を身近に感じてもらえるようにと今回の企画を考えました」
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きもだめしは、足元をライトで照らすだけで、真っ暗な中だ。僧侶らは、押し入れなどに忍び込んで参加した人を驚かし、怖がらない人には、通り過ぎた後も忍び足で近づいた。ただ、小さい子供らには優しく接したそうだ。

「怖いものは、自分自身の内側にあるんです。自分が死ぬのが怖いので、怖がるんですよ。それを気づかせて、正しい道に導くのが目的なんです。そこから救われるのは、仏様の働きになります」

最後の地獄道では、鬼がソファに偉そうに座って、説教する。「そんなんだから、地獄に落ちる。仏様にお参りして来い!」と。中には、「今までのことは、申し訳なかった」と鬼に懺悔した人もいたそうだ。

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きもだめしは、16年に初めて行い、行列ができて参加を制限するほど好評だったため、お化け役を10人から20人に、時間も3時間から6時間に増やした。今回も、整理券を出すほどの人気を集め、10~20代を中心に参加者が約1000人にも達したという。

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