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「♪脱皮す~ればよかろうもん」 福岡発!話題の生物「ダッピィズ」、作者に話を聞いてみた

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2017.06.07 06:00
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「テレキュー」ことTVQ九州放送(福岡県、テレビ東京系列)が2017年5月3日から放送しているアニメーション「ダッピィズ」が、ネット上で「頭から離れない」「なに、この破壊力」と反響を呼んでいる。

「ダッピィ~ダッピィ~ダッピィズ~~~脱皮す~ればよかろうもん」

謎の生物「ダッピィズ」たちが奇妙な音楽に体をくねらせ、こんな歌詞を口ずさむ。彼らの正体は一体、何者なのか。Jタウンネット記者は、脚本・監督を務めたアニメ作家の谷口崇氏に話を聞いてみた。

「♪脱皮す~ればよかろうもん」

「ダッピィズ」は、映像制作のディー・エル・イー(東京都千代田区、以下DLE)とTVQ九州放送(以下テレキュー)が共同で開発した。2017年5月3日から深夜の天気予報「ダッピィズ天気予報」で放送されるなどしている。

(C)Dappys
(C)Dappys

「ダッピィズ」動画の第1弾は、この「ダッピィズ」が

「世の中の悩める皆さん。そげん悩まんで......脱皮すればよかろうもん!」

と視聴者に呼びかける場面から始まる。伴奏に合わせて楽曲が流れ出すと、視聴者の心は、その独特のメロディにわしづかみにされる。

「♪ダッピィ~ダッピィ~ダッピィズ~~~
ダッピィ~ダッピィ~ダッピィズ~~~
ダッピィ~ダッピィ~ダッピィズ~ 脱皮す~ればよかろうもん」
(C)Dappys
(C)Dappys

前奏がこれで終了し、動画の場面が切り替わる。次に描写されるのは、学校や会社で見られる風景だ。

「自分に自信が持てなくて 仲間に入れないときは 脱皮すればよかろうもん」
「仕事に追われる毎日で 心に余裕がないときは 脱皮すればよかろうもん」

学校で友人関係に悩まされたり、会社で残業する毎日に疲れきったり...そんな日常にうんざりしたら、「脱皮すればよかろうもん」。激励の意味合いが、この動画には込められているのだ。

ツイッター上には、「ダッピィズ」の歌詞やメロディに病みつきになったという声が続出している。

「自分の皮を脱ぐことで解放されるということを伝えたい」

Jタウンネット記者は、脚本と監督、キャラクターの作画を担当したアニメ作家の谷口崇氏に、メールで話を聞いてみた。谷口氏は福岡市出身で九州大を卒業した、生粋の九州人である。

――「ダッピィズ」の音楽を聞いて以来、耳から離れません。なぜ「脱皮」に着目されたのですか。

「友人関係の悩み、仕事の悩みなど、多くの悩みの原因が『欲』からくるものだと思います。友人グループの中でもっと人気者になりたい、もっと昇進したい、など。欲自体は悪いものではありませんが、過剰な欲は必ず現実とのひずみを生み、悩みを生みます。その欲というものは、外ではなく自分自身に存在します」
「ですので、悩んでいるときは、自分の皮を脱ぐことで解放されるということを伝えたいと思い、脱皮をテーマにしました。また、脱皮をするというキャラクターの仕掛けがあればグッズ化しやすいため、普通のキャラクターよりももっと売れる、もっと稼げると考えました」

新海誠監督に影響を受けていた

(C)Dappys
(C)Dappys

――デザインを手がける上で気を付けられたこと、工夫されたことなどございますか。

「キャラクターに、正面を向かせることです。『ミッフィー』の作者ディック・ブルーナさんの言葉に、
『わたしの絵本の登場人物たちは、いつでも視線を読者のほうにおくっています。たとえ、体が横を向いていても顔は正面向きです。正面向きの絵というのは、嬉しいときにも、悲しいときにも目をそらすことなく、読者の子どもたちと正直に対峙していたいという気持ちのあらわれなのです』(出典:芸術新潮編集部/編『ディック・ブルーナのデザイン』新潮社)
というものがあります。私はこの言葉をきっかけにアニメ制作を始めたため、影響を受けています」

「ダッピィズ」で「悩んでいる人に対して、『悩みは、自分の皮を脱ぐことで解放される』というメッセージを伝えたい」という谷口氏がアニメ制作の道に入ったきっかけは、映画「君の名は。」で知られる新海誠監督の作品だったという。

「私が大学生の頃、新海誠監督の自主制作アニメ『ほしのこえ』が、『ほぼすべての作業を一人でやられている自主制作アニメ』として話題になっており、私もそれをきっかけにアニメ制作を始めたため、作り方についても影響を受けています」

――第2、3話などを公開される予定はございますか。

「第1話が好評をいただき、第2話の制作が決定しました。第3話以降も続けられるよう、魅力的な第2話を制作いたします。第2話の時期については、まだ第1話が引き続きご好評をいただいておりますので、状況を見ながらの放送になるかと思います」

Jタウンネット記者はテレキューの広報担当者にも話を聞いてみたが、

「まだ立ち上げたばかりですが、おかげさまで口コミを中心に意外と好評いただいております」

とのことだった。

担当者によると、DLEとテレキューでタッグを組み、今後について話し合いを続けているという。

「福岡発のキャラクターとして、ゆくゆくは海外展開なども視野に入れておりますが、まずはグッズを展開したり、企業の告知キャラクターに使っていただいたりしたいと思います」(同担当者)

「ダッピィズ」の公式サイトによると、5種類の缶バッジが書店チェーン「リブロ」の福岡天神、春日、久留米店で5月27日から販売されている。

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