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代々使える伝統工芸品「仙台箪笥」

ご当地テレビ視聴隊

ご当地テレビ視聴隊

2017.06.04 07:45
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[OH!バンデス‐宮城テレビ]2017年5月26日放送の「知ってるつもり!?宮城解体新書」のコーナーで「仙台箪笥」について調べていました。

仙台箪笥(Kunchanさん撮影、Wikimedia Commonsより)
仙台箪笥(Kunchanさん撮影、Wikimedia Commonsより)

「仙台箪笥」は2015年6月に国の伝統的工芸品にも指定され、その芸術的価値が見直されています。今回は、創業明治5年の創業以来、伝統の製法を守り続ける、若林区の仙台箪笥工房「門間屋」でお話をうかがっていました。

機能的で美しい金具

「仙台箪笥」が生まれたきっかけには諸説ありますが、伊達政宗公が仙台藩の大工の棟梁であった「梅村日向」に命じて、仙台城の建具の一部として作らせた収納が起源と言われています。

伝統のひとつが、「野郎箪笥」と呼ばれる武士のための箪笥。間口四尺(120cm)高さ約三尺(90cm)で作られています。最上段は刀が入る長さ、2段目以下は羽織・袴などが入る大きさです。そして、もう一つの伝統が、壁にはめ込んで使う形です。上段の引き出しは中央に仕切りがあり、分かれているのが特徴で、明治時代には嫁入り道具の一つとされていました。

前面には宮城の県木でもあるケヤキが主に使われ、側面や引き出しには丈夫なスギが使われることが多くなっています。磨きの最終工程は素手で行うことが多く、微妙な凸凹を直に感じながら、手から出るわずかな脂分で磨きをかけていきます。鏡の様に、覗くと自分が映し出される程の仕上がりです。

そして重要なのが、機能的でありながら美しい「金具」の装飾です。その重厚な作りに目を奪われがちですが、同時に使いやすくする鍵・引き手や、丈夫にする補強という役割も持ち合わせています。塗り直しや金具の修繕をして永久的に使えるのも特徴で、金具師の八重樫さんの工房には、先々代が作った120年前の仙台箪笥が置いてあります。

「仙台箪笥」の魅力は、美しい木目を活かしながら丈夫に組み立てる「指物」と、何度も重ねる事で独特の光沢を出す「塗り」。そして、縁起物や家紋を彫り込んだ「金具」による装飾。その格調高い美しさを生み出す「三技一体」と呼ばれる技術は、若い職人たちに受け継がれています。この素晴らしい伝統工芸品を守り続けている職人さんたちの努力に感謝しなければなりませんね。(ライター:佐藤憲子)

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