温泉めぐりのお供はパン!? 渋温泉の名物「うずまきパン」
■地域の日常に寄り添う、うずまきパン
地域の方に地元の名物として親しまれているうずまきパン。いつ頃から販売されているのでしょうか?
小古井さん「50年以上前になりますね。初代である祖父が生み出したパンなんです。経緯については臆測でしかありませんが、祖父は新しいものが好きな人で。そもそも当時はパン屋なんてほとんどなかったのに、菓子店でありながら、パンの製造を始めたんです。きっと、カスタードとマーガリンの新しい組み合わせのパンが純粋に食べてみたかったんだと思いますよ」
うずまきパンは地元ではどんな風に愛されているのでしょうか?
小古井さん「地域の方言でおやつのことを“こびれ”と言うのですが、『今日のこびれはうずまきパンにしよう』と購入してくださる方が多いですし、温泉街の旅館の仲居さんたちもよく来てくれますよ。“おてんま”という地域の掃除や草抜きをする奉仕作業の時には、作業終わりに飲み物と一緒にうずまきパンを配ってくださったり。以前は運動会のパン食い競争で、あんぱんの代わりにうずまきパンがぶら下がっていた時代もあるんです。今では地域の名物として『道の駅 北信州やまのうち』と湯田中駅裏にある日帰り温泉『楓の湯』でも販売しています」
なるほど、行事だったり、地域の作業だったり、あらゆる場面で日常的にうずまきパンを食べる機会があったからこそ、地域の名物パンとして認識されるようになったのですね。お客さんはどんな方が多いのでしょうか?
小古井さん「地域の方はもちろんですが、最近は観光客の方もとても増えました。渋温泉に来る度に寄ってくださる方もいますし、お土産に30個も40個も購入してくださることもあるんです。本当に嬉しいことですよね。うずまきパンを食べながら湯めぐりをされている姿を見かけることもありますよ」
温泉街と言えば、温泉まんじゅうや温泉玉子を片手に湯めぐりが定番ですが、ここ渋温泉では地域の名物うずまきパンをお供にするのもまた一興。湯船に浸かってぽかぽかに温まった後は、ほかほかのうずまきパンを頬張って、お腹の中も満たされてみては。
店舗情報 ● 小古井菓子店
住所:長野県下高井郡山ノ内町平隠2114
電話:0269-33-3288
営業時間:8:00~20:00(第3水・元旦)
※記事中の情報・価格は取材当時のものです。
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