主要3候補「以外」の都知事選(1)高橋尚吾さん 「選挙は戦いじゃない」他候補の応援演説続ける
小池百合子さんのもとに駆け付けたが...
選挙は戦いだと、世間は言う。だが高橋さんは、選挙は戦いではないと、何度も言う。
「候補者はみんな誰かの『声』を受けて立ち上がっているんです。すべての意見に意義がある。候補者同士は『敵』じゃない」
政治家たち自身を、政争の世界から抜け出させたい。自分が求める「本当の選挙」を実現するため、高橋さんは、他の候補の「応援演説」に回る。演説会場などを訪れ、候補者、そして何よりその支持者に、その理念を説くのだ。
マック赤坂さんがしばしば、他候補の演説に「乱入」して話題を呼ぶが、この人のやりたいことはおそらくちょっと違う。自身の選挙活動ではなく、一種の啓発活動と言うべきだろうか。
舞台は、日曜昼の有楽町に戻る。
高橋さんが目指すのは、小池百合子さんの演説会場だ。そこで、件の「応援演説」を行うという。いわゆる、飛び込みである。この日のために、小池さんのイメージカラーである緑の布も用意してきた。
「有楽町マリオンってどちらですか?」
近くのお店の店員さんに聞きながら、早足に会場を目指す。だが、どうも辺りが静かだ。というのも、ちょっと予定が押してしまい、すでに演説会開始から30分近く経ってしまっている。もしかして、もう終わって――。
「小池、百合子でございます――」
ようやくマリオンのある通りに出た高橋さんの目の前を、小池さん本人を乗せた選挙カーが走り去っていった。残念、遅すぎた。